トイレ紙は流さない
 突然ですが、トイレで用を足したとき、使った紙はどこに捨てますか?
 「そりやーもちろん、トイレに流すに決まってるじゃん」という貴方、それは間違っています。
 そんなことしたら超迷惑!。中国ではマナー違反ですよ。
 中国ではトイレで使用したトイレットペーパーはゴミ箱に捨てます。つまり、用を足した後、尿や便だけはトイレに流すのですが、お尻をふいた後の紙は、流さずに備え付けのゴミ箱に捨てるのです。
 その理由は、トイレに紙を流すと詰まるからです。
 日本のようにトイレの紙はやわらなくなく硬くて水に流れにくいのです。
 ですから紙類はまとめて、ゴミとして捨てるのです。
 これは、なにも中国の地方の話をしているのではありません。北京や上海の都市部でもそうなのです。
 よ~く思い出してみてください。
4星ホテルでもトイレのフラッシュがよく流れなかった経験ありませんか?
 どこのいいレストランにいっても高級住宅のトイレにいっても隣にゴミ箱があったでしょう?
 そして、よく見て下さい。
 ゴミ箱の中を観察してみると、そこには、前の人が使用した便がついたトイレットペーパーが残っています。
 その上に、何もなかったように次の人が使用した後の紙を捨てるのです。
そう! あちこちでうんこしてお尻を拭いた、その紙をそのまま流してきた貴方は、ひどく迷惑をかけたことになります。
 中国では、今、深刻な水不足です。
 国民一人当たりの資源量は世界平均の4分の一で、河北省や山西省、陝西省など中西部を中心に約5000万人が深刻な飲料水不足にあえいでいるという現状です。
 急速に経済が発展した中国の都市部では、強制的に内陸部から都市部の集まっている沿岸部に水を吸い上げているため内陸部では水がなくなり砂漠化が進んでいます。
 このような状況の中、配水管の漏れをなくすための工事、そして、長江の水を黄河に導く南水北調計画が実施されています。
 しかし、トンネル掘削、水量調整において長江自体の流量に影響を与えるなど問題もかかえています。
 水不足がどんどん深刻化して家畜に水を与えられないというだけでなく砂漠化が進むと、農産物も育たなくなります。
 将来、中国の食べ物は輸入に依存しなければいけなくなる恐れもでてきます。
 だからというわけではありませんが、中国に行ったら少しでも節水にご協力して下さい。
 トイレでは用と紙は別々に始末しましょう。