中国はビール大国
 世界で一番ビールを生産し、かつ飲んでいる国はどこだと思いますか?
 それは、人口13億人の中国。2002年に生産量でトップになり、03年には約2500万キロリットルで消費量でも一位になりました。東京ドームをジョッキにたとえると、ざっと116杯分です。
 もっとも一人当たりの消費量となると、19.7リットルで、日本の約4割に過ぎません。
 中国のビールというと「青島ビール」が有名。日本人は中国で、よく注文します。
 第一次大戦前から生産されており、香港の証券市場に上場した第一号銘柄ですが、置いているところをは、そう多くはありません。
 むしろよく多く飲まれているのは『燕京ビール』(北京)や『広東ビール』(広東)など地元の銘柄で、ツウに言わせると、「青島ビールは、ちょっとぜいたくしたい時に飲むもの」なのだそうです。
 味覚にも日本人とは大きな差があるようで、苦いビールよりは、色も薄めを好み、日本のようにギンギンに冷やすこともしません。アルコール度日本の5%よりも低い3%前後。値段は50円から100円。高級レストランでは200円くらいでしょうか。
 中国のビールメーカー400社以上もあり、そのうち9割が中小企業という実態で赤字企業が大半を占めています。企業間の再編も進められていのも事実です。
 こんな中国のビール業界に日本の『サントリー』と『アサヒビール』が殴りこみをかけ、大成功を収めています。
 サントリーは上海で人気で、中級クラスのレストランで「ビールちょうだい」と注文するとサントリービール」がでてくるほど。これに対して、アサヒビールは北京で地元のビールについで引っ張りだこだそうです。
 都市化が進み、洗練された欧米人が多い上海に進出したサントリーと、北京五輪の消費を狙い撃って出たアサヒビール。中国進出企業関係者の間では、どちらが勝つのか関心の的になっています。
 ちなみに、アサヒビール「清爽」は、現地生産。北京ビールと提携して原麦汁濃度が10度と日本人向けの味で勝負しています。
 しかし最近中国人の間で流行しているお酒といえば、これがビールではなく大型スーパーのカルフールには100種類以上も並べられているワインです。
 それもフランスワインでもなく中国産のワインです。
 どう考えても、味はいまいちですが、中華料理と絶妙にマッチするそうです。
 経済成長とともにアルコールの嗜好も多様化している中国ですが、それにしても酔っ払いの姿をほとんど目にしないのは不思議です。