携帯電話はステータス
 生活に今や、携帯電話は欠かせないものになっていますが、中国人の携帯電話には、時として驚きを通り越して、あぜんとすることがあります。
 北京の目抜き通りを歩いていると、大人から子どもまでが、これみよがしに携帯電話で話している光景を目にするぐらい携帯電話は普及しています。
 統計によると、2003年は,毎月400万人以上が携帯電話サービスに新規加入し,加入者総数は2億6000万人を超えました。
 一台の値段が中国人の平均サラリーマンの月収3万円と同じ金額からその2ヶ月分以上の7万円もするのにです。
 私にはあまりにも高すぎると思うのですが、中国人は平然と買い求めています。
 それだけでなく縁起がいいといわれている「8」並びの携帯電話の番号を日本円で1億円も払い落札したお金持ちもいます。どうしてこんなに携帯電話に夢中になるのでしょう。
 理由は2つあります。まず、第1の理由は、ステータスのため。
 実は、この携帯電話は「飾り」なのです。今どき携帯電話も持っていないなんてビジネスでも女も誰も相手にしてくれないでしょ。
 中国人は携帯電話を皆2台持っていて、実際には、携帯電話は受信専用。こちらから電話をかけなおすのは、通話料の安いPHSです。
 また、余談ですが、日本のようにメールは流行っていません。メールは電話代よりも通信費が高いためもっぱら電話をかけています。
 第2の理由は、中国の場合、固定電話の通話の電波がとても悪いのです。
 今でも街角には「電話屋さん」があり、昔ながらの黒電話で商売している電話おじさんがいます。電話番号を差し出すと、電話おじさんがかけてくれますが、何度かけてもプープーとなかなかつながらない。せっかくかけても一回6円払った金は無駄。こんなことばかりです。
 でも携帯電話なら感度もよくつながりもいいのです。
 デパートの入り口に透明なガラスの中に並んでいるのは、「NEC」や「ノキヤ」「ソニーエリクソン」「モトローラー」が目立っています。
 こんなに売れているか
ら携帯電話の会社は儲かっているのかというと、実はそうではありません。
 中国メーカーでは、「中国移動(チャイナモバイル)」、「中国聯通(チャイナユニコム)」が有名ですが、外資企業が低価格で販売してきたため、価格競争の激化が進んでいます。
 モトローラとノキアの強敵と戦う中国メーカー、その中で日本企業のシェアはというとたった数%でしかありません。
 カメラ付携帯電話の韓国製サムソンも人気上昇中の中、日本企業はどこまで踏ん張れるのか「見物」です。