旅行ブームで同行者募集
今、中国人のもっとも大きな楽しみは旅行だそうです。
中国流に言えば、“出境旅游熱”、=「外国旅行ブーム」ですね。
中国統計年鑑2004によると、1999年に、中国から海外へ出国したのは約923万人でしたが、2003年には約2,022万人と5年間で約2.2倍にも達しました。
この5年間の出国者数平均伸び率は、約22%で急激に伸びています。
海外旅行に行くにはけっこうな資金が必要です。
米調査会社、ACニールセンの調査によると、中国人が海外旅行に出かけた際に買い物に支出する金額は、987米ドル(約10万5000円)で、日本を始め先進諸国を上回り世界一となっていることがわかりました。
もっとも人気がある国は、香港、マカオです。香港では、かつて日本人の観光スポットとなっていたビクトリアピークには中国人の団体旅行客の姿ばかりです。ペニンシュラホテルにも、日本人の姿は消えて、それに代わって中国人ばかりです。
特に中国人の女性に大人気です。中国では売られていない最新のブランドを女性が探しに行くのです。また、ギャンブル好きの中高年の男性はマカオのカジノに行きます。まさにチャイナマネーが勢いよく海外に流出しています。
少し前まえは、一部の富裕層だけが旅行に出かけていましたが、最近は中間層でも海外旅行に出かけています。
平均以下の所得の人でも、500元から1000元(1元=約13円)を時間をかけてゆっくり国内旅行として省内でも話題の「隠れスポット」を楽しんでいるのです。現地の人に人気なのは、中国のハワイといわれている「海南島」、景勝の「佳林」です。
2004年の中国国内の総旅行者数は述べ9億人を超え過去最高を記録しました。つまり、13億人の人口のうちほとんどの人が国内のどこかに旅行にいった経験があるのです。
反日デモによって日本との行き来は減少しましたが、中国人の海外への旅行熱は高まるばかりで、お金のない女子大生だってサイトで「旅行同行者募集」という書き込みをして、一緒に旅行に連れてってくれる男性を真剣に募集しています。
このような社会現象にまでなっている旅行人気が高まっているのには理由があります。
①改革・開放政策の進展による中国人の所得の増加による経済的ゆとり
②経済成長にともない、労働時間の短縮によるゆとりの時間ができたことなどがあります。
でもそれだけではありません。
中国人の外国旅行の場合は、観光目的の渡航先は、自由に選択できるわけではりません。
1980年代の香港、マカオ、タイへの親族訪問が許され、1990年代にはシンガポール、マレーシア、フィリピンに広がりました。さらに「中国公民自費出 国旅行管理暫定規則」の施行によって、しだいに20カ国以上の国への旅行が解禁されることになり、ビザも取得しやすくなりました。
これが、一般の人が気軽に出かけられる旅行ブームに拍車をかけることになったのです。
http://www.erina.or.jp/Jp/Opinion/J/China/2003/Ryo4.htm