中国では、今やっとスポーツが流行し始めています。都市部では欧米文化の流行にともない、ジムやバレエ、ヨガなどを始める富裕層が増えています。
とはいえ、一般的には、スポーツは観賞するもので、実際に参加して楽しむものという意識はないようです。
特に北京五輪で金メダルを取ることが期待されているのはバレーです。アテネオリンピックで20年ぶり2度目の金メダルをとったことから拍車をかけました。196センチという巨大なブロック選手趙蕊蕊(ちょう・ぬいぬい)が大人気です。
でも、中国の一人っ子は、ピアノや二胡など楽器を習うことがステータスで、つき指しやすいバレーボールをしたがる子どもはいません。バレーのゲームは、もっぱらテレビをみて覚えるのです。
バレーボールのボール一個は、たった500円くらいからですが、質は相当悪いのです。
そういえば、バスケットボールで遊んでいる中国人にも出会ったことがありません。
バスケットボールを売っているスポーツ用品店もあまり見かけません。ボールそのものの値段は、高いもので1000円、安いものは500円ほどと安いのに買う人は少ないのです。
ただ最近は、欧米の文化の流行により、アメリカ帰りの中国人が、NBA関連の質のいいバスケットボールをお土産に買ってきたり、姚明(チョウメイ)の恋人と葉莉が雑誌の一面を飾ったり、今まで人気がなかったチアガールまでもが流行しています。
しかし頑張っているのは選手だけではありません。
中国には元オリンピック選手の李寧(リーニン)さんが代表を務めるスポーツメーカー「李寧」は20社以上もあります。
また、電車やバスに乗れば、窓やつり革に清涼飲料水ばかりが目立ちます。「楽百氏」の「脈動」老舗ブランドや、「娃哈哈」の「激活」、「農夫」の「尖叫」など種類も増えるばかりです。
清涼飲料水の値段は、500ミリで3元、1.5リットルで6元で日本の2分の1から3分の1程度ですが、広告費は日本の数倍も高い場合もあるようです。
例えば、中国の代表的な国営テレビ局、中国中央電視台(中央テレビ、CCTV)の清涼飲料水のコマーシャルは、約3000万元も費しています。
もっとも、スーパーで1平方メートルの飲料陳列棚の15日の使用量は2000元と、都市部の中国人の平均の月収と同じほど払っているのです。
そのうち清涼飲料水も、実際に飲むためのものではなく、スポーツと同じように、観賞するだけのものになりそうですね。