退職金のためだけに会社に残る
 「江上剛の『円満退社』の主人公のように、なさけないけど俺も退職金をもらうためだけに我慢して会社に残っているんだよ」
 我慢してといわれても・・会社がアナタに我慢しているのでは?
 そんな私の気持ちをよそに、中堅の建設会社に勤務している58歳の田原正さんは、続ける。
 「今年の部長クラスの退職金は1200万円だったけど、来年からは退職金はだいぶ減るらしい。俺は部長じゃないからもっと低い。組合が頑張って交渉して欲しいんだけど」
 ただでさえ2007年は、退職金をまとめて支払う「退職一時金」を準備できず退職金倒産する企業も増えるかもしれない。その上、雇用形態の変化により、20年以上勤務した人に優遇されていた税金額が、場合によっては追加で100万円以上も税金の支払い額が増える可能性もでてくる。徐々に退職者には不利になっていくのだ。
 それでも、「俺はもらう権利がある。会社に33年間も我慢してサラリーマンやってきのだから。2年後ならまだ大丈夫だ」と田原さんは踏ん張る。
 しかし、一方で定年後のことはまだ何も考えていないのだそうだ。退職金をもらってからその金額によって考えるという。
 「奥さんに外で働いてもらいたい。自分は家でゆっくりしたい。そのためには料理学校にいって勉強してもかまわない。2、3年間そんな生活をしてから、ゆっくり自分の本当にやりたい仕事をみつけてみるよ」
 長年、会社人間だったのだろう。その気持ちもわからないではないが、こんな人が家に長時間いられたら奥さんもストレスが堪るだろう。田原さんの理想のライフスタイルを歓迎してくれるのか、早めに夫婦で話し合ったほうがよさそうだ。 
田原さんの小遣い 4万5000円のうちランチ代が2万円も
 グルメ志向の田原さんは、「ZAGAT SURVEY」に掲載されている新規店178店のほとんどをすでに試したそうだ。
 「夜の食事代にはそんなに金を使えなくなったけど、せめてランチ代はケチりたくない」とあちこち店を開拓している。2000円から2500円もランチ代がかかるイタリアンのレストランにもわざわざ出かける。ヒルズのイル・ムリーノ、コレド日本橋のサン・パウなどさすがに詳しい。
 「その店の料理の味やサービスについて会社の若い女性たちに教えてあげるんだよ。まさか誰も昼だったかなんて思わないでしょ」
 さも夜にいってきたかのように自慢するのだそうだ。
 
グルメ田原さんの小遣い帳

     
  月額 45,000
ランチ代 26,000
食事代 15,000
使途不明金 4,000
  小計 45,000