住民税が10%一律になると小遣いに悪影響
 景気が回復した影響で企業にもややゆとりがでてきたようだ。
 「昨年から今まで横ばいだった俺の年収も少しアップした」
 一昨年前に比べ年収が20万円も上がったと喜んでいるのは、銀座の料亭に勤務している竹下峰雄さん(45歳)。
 嬉しさのあまり調子にのって奥さんに小遣いアップの交渉してみた。
 「3万2000円の小遣いは少なすぎるよ。年収が650万円になったんだから、小遣いもアップしてもいいよね」
 一生懸命頑張って家族のために働いているんだぜと、タバコを吸いながらかっこつけてみせた。
 「だけど、これから住宅ローンの控除が減るし、住民税は10%一律になるから家計のやりくりが大変になる。小遣いにまわせるほど家計に余裕があるわけないじゃない!」
 せっかく頑張って交渉したもののバッサリと言い切られた。
 「退職金も数百万しかもらえないんでしょ」
 ずっしりと妻の言葉が心を突きつけた。
 だけど、定年なんて関係なく働けるからこの仕事がいいと思ったんだけど・・ぶつぶつ口ごもる。いいたくても健康に自信があるかといったらない。口に出すこともできなかった。
 2006年度税制改正では、2007年度から個人住民税が今まで5%から13%までの区分だったのが一律10%になる。
 納税者の負担が増えないようにと、それにあわせて所得税も5%から40%までの6区分になるが、総合的にみると竹下さんの家計ではプラスにはならないと奥さんに言いくるめられた。
 「逆に減らしたいくらいなのに」
 奥さんの小うるさい小言はしばらく続いていた。
 店にくるお客の数も支払い金額もかなり増えたというのに、それは会社の経費だからなのか・・。
 竹下さんの喜びは一瞬で終わったようだ。
竹下さんの小遣い
 「料理長になりたくて頑張ってきた。いつか店を経営したいと30代後半は大きな夢を抱いていた。だけどそれが焦りになって人に騙されたこともあった。それからは車買ったり家を買ったり衝動買いが進んだ」
目の前のことを楽しむことも大事だと感じたそうだ。
 最近の唯一の楽しみは車でドライブすること。休みの日は2時間くらいかけて海の見えるところまで遠方まで出かけるそうだ。
 そんな竹下さんが「ガソリン代金が上がったから2時間が30分に減った」と残念そうにもらした。
 だけど諦めるのはまだ早い。定年を迎える頃に自分の店をオープンする人だっている。家のローンがいきづまったら売却して開店費用に回すこともできる。今の60歳代はまだ十分若い。
 給料も上がったということは料理の腕も上がりお客も増えたということだ。今からでも遅くない。景気がよくなればチャンスがあるかもしれない。
 ただし浪費はよくない。少ない小遣いでも我慢することだ。
ドライブ好きな竹下さんの小遣い帳

     
  月額 32,000
ランチ代 19,000
ガソリン代金 12,000
     
  その他 1,000
  小計 32,000