重量挙げ男子は、金メダルが2人も獲得した中国
 アテネ五輪では、日本人男子の重量挙げは五十六キロ級の今村俊雄選手(二十四歳)と62キロ級の山田政晴選手(二十四歳)、百五キロ超級の岩崎宇信選手(二十八歳)が出場したものの結果は思わしくありませんでした。
 東京五輪・メキシコ五輪で連続金メダルを獲得した三宅義信氏は有名で、姪の三宅宏美選手はアテネ五輪女子重量挙げ四十八キロ級の日本代表として出場しています。日本勢は六八年メキシコ大会以降はパットしていません。
 一方で中国人男子はというと、六十二キロ級の石智勇(シィ・ジョン)選手がトータル重量三百二十五キロで優勝しただけでなく、六十九キロ級の張国政(ジャン・クチョン)もトータル三百四十七.五キロで金メダル獲得しました。
 現在、二十六歳、福建省龍岩市に生まれた石智勇は、九歳から重量挙げのトレーニングを始めました。成績は九七年には第二十三回世界青年選手権、五十九キロ級スナッチ・ジャーク・総合成績で三冠、九九年には第二十五回世界青年選手権、男子六十二キロ級スナッチ優勝、0三年世界重量挙げ選手権、六十二キロ級スナッチ二位とすでに実力が備わっていました。
 豊富な経験を持つ張国政選手は雲南省出身で三十歳、彼もまた七歳から重量挙げを始め二十六歳でナショナル・チームに入り、00年シドニー五輪で六十九キロ級で四位、現在は六十九キロ級で世界第1位にのぼりつめました。
 重量挙げはハーベルを持ち上げその重さを競うスポーツです。バーベルを頭上へ一気に引き上げる「スナッチ」とバーベルを第1動作で肩まで引き上げて立ち上がり第2動作で全身の反動を使って一挙動で頭上へ差し上げる「クリーン&ジャーク」の合計で順位が決まります。「膝から下、膝、太もも、腕、肩と部分ごとに筋肉を鍛え強化することで全身が出るようにトレーニングしなければならない」と三宅コーチが答えていたように自分の体重の三倍近い重さを頭上に持ち上げるにはあらゆる筋肉を鍛えなければなりません。
 九歳から重量挙げを始めた中国人男子はゆっくりと柔軟な筋肉を鍛え上げ、今後も期待の星として活躍し続けるでしょう。