モナリザのナゾの値段
 パリの第一印象は神秘的な興奮と現実の狭間にあるような、なんともいえない感覚だったのを覚えています。
 歴史的な建物のブランドショップの本店に出かけてみても、行列を作って待っている日本人の観光客とは対照的に、入ってくる現地のお客さんはお洒落とは無縁の黒のタイツと現地では安い本革の革ジャンにサンダル姿の人ばかり。電車の中で見かけた若い女性も、パンツや靴の裾の糸がほつれているものを履いている人が多く、ファッション雑誌で見るようなスタイルを期待していた私は失望したのを覚えています。
 フランスの平均所得は約280万円と低いのにもかかわらず家賃は平均で10万円以上もします。もともと消費税はフランスの官僚が間接税の一つとして付加価値に着目して課税するしくみを考案したのです。
 そのためか、電気代・ガス代などにも20%の消費税がかかるし、年収が500万円の人の所得税は約80%と、日本の2倍以上です。
 そんなパリで生活するのは大変なことのようで公園には中東からの移民などが大勢座り込んでいました。最近も「初期雇用契約」(CPE)を制定したものの、すぐに撤回せざると得なくなりました。
 そんな失望したパリでしたが、夕方になると街のネオンがとってもやさしく輝き、まさに芸術の中に囲まれているかのように優雅な感じに漂わせてくれました。
 ルーブル美術館( http://www.louvre.fr/llv/commun/home_flash.jsp)のモナリザを見たときには、確かに向かって左は悲しい表情で右は微笑んでいる表情があり、多くの人が立ち止まってざわめきをあげていました。
 レオナルド・ダ・ヴィンチが、モナリザを未完成なまま、最後まで自分のところに保管し提出を拒んでいたことからナゾが深まっているようですが、それでも、「なんでそこまで騒がれているのだろう?」と思ったのがそのときの私の正直な感想でした。
 最近になって映画の上映もあり「モナリザの肖像は、実在しない。実はイエスキリストやその血がつながっている女性を書いたのではないか」などとさまざまな憶測が広まっています。
 私もカトリックの学校に3年間通っていた頃派毎朝、聖書を読んでいました。シスターたちは、この件に関して聖書の中でも矛盾しているところがあると認めていたものの、永遠の神秘として追求することは避けていると説明していました。真実は調査したほうが神秘になるのか、それともナゾに包まれ続けるほうが信仰の価値があるのか、私にはよくわかりませんが、レオナルド・ダ・ヴィンチが何を伝えたかったのか時代を超えて今も世界中が試行錯誤していることだけでもモナリザは幸せなのかもしれません。