女子は、サッカーも男子より強い
 サッカーの人気ぶりは僧侶の学生にまで広まっています。重慶市で少林サッカーチームができたと話題に上っているのは「華岩寺足球隊」です。全員が華岩寺仏学院に通う僧侶の学生で結成されています。
 しかし、僧侶だけではありません。
 中国ではサッカーは女子サッカーぬきでは語れません。
 中国の女子代表チームは、99年のワールドカップでは準優勝、96年のアタランタ五輪でも銀メダル獲得しています。
 「中国人女性は恐い」と中国人男性がよくもらしていますが、サッカーにおいても歯が立たない状態です。
 中国で「鉄の薔薇」と賛美されている女子代表チームは、99年の女子ワールドカップでは劉愛玲(リィウ・アイレン)、孫文(ソン・ウェン)選手などの活躍で決勝まで進出、アメリカを相手にPK戦まで進みました。惜しくも、苦戦の結果、優勝は逃しましたが、その実力は世界を脅かせたものです。
 エースのFWの孫文は、FIFA(世界サッカー連盟)女子最優秀選手の二位に二度選出されている選手です。96年のオリンピックと99年ワールドカップでは、中国の準優勝の立役者となり、03年に引退した後は、今までできなかった勉強をしたいと上海の復旦大学で国際関係を勉強しているそうです。
 MFの劉愛玲は、ワールドカップではオーバーヘッドのシュートを二本決めたことが、サッカーの教科書にも書かれました。それほどサッカー選手たちは尊敬されています。
 その後、02年に男子が遅れてワールドカップに進出する頃には、すでに女子サッカーは世界に認められる強敵となっていたのです。
 男子サッカーの人気も押し上げ、有力選手たちの引退も引き金になり女子サッカーの強さは目立たなくなりましたが、その人気は老若男女問わずに子どもからお年寄りまで広まることになったのです。
 それを受けて、2018年のワールドカップの開催国に中国が立候補する可能性があるそうです。国家体育総局も北京五輪の整っている施設を積極的にアピールしています。2012年に決定されるのは、2018年大会の開催国です。それまでに男女ともに真の強さが試されます。