金メダル・一流の体操選手とスポーツメーカー
「中国のナイキになることが目標です」
バスケットボールをカンフーでアレンジしたホームページを持つ、スポーツメーカー、「リーニン」の幹部が、そういいました。「リーニン」という企業名は 元オリンピック選手「李寧(リーニン」が創設したことから、名前をそのまま会社名にしたものです。
リーニンは63年、広西柳州市に生まれ、七歳から体操を始め、17歳でナショナルチームに入りました。84年、ロサンゼルス五輪の体操競技の床、あん馬、跳馬、つり輪、鉄棒、平行棒の6種目で6枚の金メダルを獲得しました。
「将来のサッカー中田英寿選手の姿だろう」
中国では、偉大なイメージのまま26歳で引退してビジネスの世界に入ったリーニンのことをそう説明しています。
アリー、ベリー、ジョーダンらと並んで「二一世紀最も偉大なスポーツ選手」の一人に選ばれ、中国で最も知名度を残したオリンピック選手なのです。
中国ではまだスポーツ市場が未熟であるため、スポーツメーカーも認知度がほとんどありません。だから名前をそのまま会社名にしたリーニンのように、選 手=メーカーのブランド力となるように、うまくスポーツ選手を起用しているところが多いようです。
テレビで、選手がロゴのついたシャツを身につけているだけで数億人規模で視聴されます。
広告費1千万ドルを北京オリンピックまでに投資するナイキなど外資系のスポーツメーカーに比べて、現地のメーカーは選手との契約がとりやすい分だけ有利でしょう。
九四年に中国に設立してから一二年が経ったミズノはサッカー、野球、ソフトボール、ゴルフ、卓球、陸上、マラソンなどとオフィシャル・サプライヤーとして契約しています。
純利益が多く見込めるスポーツシューズの売上とシャツで八割を占めているリーニンと違い、利益にこだわらずに多種にわたる競技種目のスポーツウェアや用具を生産しています。にミズノというブランドを広く知ってもらうための努力です。
でも競技人口が約4億人の卓球においては、福原愛選手が所属する遼寧省女子チームと用具提供契約を締結しているため、大きくブランドをアピールできそうです。
徐々に熱を帯びてきた中国のスポーツ市場、各国のスポーツメーカーはこれからが本当に戦いになるでしょう。

リーニンの店