スポーツ用品の値段
10月1日は中国の国慶節(こっけいせつ)でした。日本でいえば2月11日建国記念日と同じでしょうか。
1949年10月1日に中華人民共和国が成立し北京の天安門広場で中華人民共和国建国の式典が催されました。毛沢東中央人民政府主席は中華人民共和国の成立を宣言しました。
もっとも最近の動向はちょっと違うようです。胡錦涛・国家主席は、一日、国慶節の連休中であるのにもかかわらず、北京オリンピックで使用する建設現場を 訪れました。一生懸命現場で作業を続けている工事関係者をわざわざ激励するため訪問したのです。
メインスタジアムとなる鳥巣とよばれている国家体育場、水立方と呼ばれている水泳競技が行われる国家水泳センターなどを視察し、工事の進行状況などにつ いても気にしながら胡主席は、「北京オリンピックの準備作業は重要な時期にきている。政府指導の下で、中国的な特色のあるものをレベルの高いものを開催し たい」と協力を求めました。
北京オリンピックへの意気込みは大変なものであることがわかります。
それもそのはずです。05年にはスポーツ人口は国民の五〇%にすると提言していたのにもかかわらず、現状のスポーツ人口は全体の2割にも達していません。
スポーツをやりたくても、経験もルールもわからない。その説明や体験コースは各地域の小学校などでイベントが行われているものの、関心はイマイチです。 三十代から四十代の親を一緒に参加させるのには無理があります。子どもに教える体験も技術もない。親として面子がつぶれることはしません。スポーツ店に 入ったことはあってもスポーツ用品を買ったことがある人は少ないのです。外資のスポーツメーカーが参入してきても値段が高いため、嬉しそうに手にとっても 買うのは一部の人だけです。せいぜい中国現地のスポーツ店で現地のオリジナル商品、もしくは模倣品を購入するにつきます。
ところがこれからは中間層の所得も上がり、現地のスポーツ用品の値段も上がり、外資とほぼ同じ値段に近づくでしょう。
北京オリンピックをテレビで観賞しながらやっとルールを覚えます。
本格的に広くスポーツが浸透するのは、所得が上がりスポーツ用品が購入でき、ルールを覚える北京オリンピックが終わった後からになるでしょう。所得とスポーツ用品の値段のバランスが大事なのです。

北京大学前の古いスポーツ店