中国がスピードスケート女子で優勝するまで
だいぶ肌寒く感じるようになりました。でも、北京の冬はもっと寒いのです。氷点下10度という強烈な寒さなのです。冷たい空気が耳の中まで入り、まるで 氷を詰められたかのような痛みさえ感じました。耳が悪くなったせいで音痴になりました。私が中国の冬が嫌いな理由はそれだけではありません。
風が強くて乾燥していること、それにあまり雪が降らないことです。
そのせいでしょうか。中国が冬季オリンピックに初めて参加したのは、1924年の第一回目、シャモニーオリンピック(フランス)から8年経た、1932 年の第3回目でした。そのレークプラシッドオリンピック(アメリカ)では男女28名、18種目に出場したものの入賞者はいませんでした。雪も少なく設備環 境が整っていなかったため、選手たちが十分に練習することもできなかったのです。それが2006年のトリノオリンピックでは最大規模の76人の選手が47 種目に出場するまでになりました。
冬季オリンピックが日本で開催されたことは過去に3回もありますが、中国で開催されたことは一度もありません。中国ではけっして冬のスポーツに恵まれて いる環境とはいえないでしょう。そのため中国では欧米のコーチをつけたり、選手を海外に遠征させるなどして選手のメダル獲得のために資金を出すことを惜し みません。金メダル獲得者には約300万円以上も支払っています。一般の中国人の平均月収が約1万円ですから30年近くの生活費を保証されたことになりま す。また、いままで不足していたトレーニング用の施設の整備などにも強化しています。
そのかいあってか、トリノオリンピックでは、中国は過去最高の11個のメダルを獲得しました。中国男子としては初めて金メダルを獲得したのは、フリースタイルスキー・エアリアルの韓暁鵬で、国をあげて奨励されました。
また、今月は、スピードスケートワールドカップがオランダ・ヘーレンフェインで行われたまま、女子500メートルでは、中国の若手のエース王北星(ワンバイシン)が優勝しました。
トリノ五輪のスピードスケート、女子500メートル決勝では、ロシアの選手に次いで王曼麗(●●●)が銀メダル、任慧(●●)が銅メダルで、王北星はメ ダル候補にさえも入っていませんでした。王北星はまだ20歳、トリノオリンピックと今回の経験を踏み台にして、次はさらなる上を狙います。