党大会の注目新人は?
 3月は全国人民大会が行われます。全人代は政策や政治をみるため株式市場においてももっとも注目のときです。
 昨年は三農問題が注目されました。今年はこれといって大きな変化はないでしょう。例えば農業の改革や過熱気味の産業対策に対しての効果はまだ十分とはいえず、引き続き政策をとるということになるでしょう。鉄鋼・アルミ・不動産・株式市場などにおいてもヒートアップしているため冷やす傾向に向かうでしょう。例えば、1月24日の吉林省人民代表大会では農業に強い韓長賦氏を省長に選出しています。今後も引き続き三農問題などに力をいれていくことになります。
 もっと注目なのは9月の5年に1度の党大会を開きます。そのときの人事が今注目されています。胡錦涛は2003年の3月から2008年3月までの5年の任期ですが、よっぽどのことがない限り来年からも2期目がスタートすることになると見込まれています。
 新たに注目されている新人が2人います。
 北京大学卒の李克強(51歳)が胡錦涛の後釜として期待の星とされています。日中関係が良好で遼寧省出身です。また、同じく北京大学卒、江蘇省の書記・李源潮(56歳)も指導者として注目されています。政治色の強い精華大学卒者から北京大学卒者が増えることはこれまでの狭い社会での派閥が少なくなることが期待されます。また、社会主義国から移り変わるとき、発展段階にあるとき、製造業・IT産業などに強い理系から思想などを含めた文系が注目される傾向にあります。
 日本でもそうですが、新しい若手の政治家の出身はどこなのかは大きなポイントです。経済が成長している江蘇省と貧困の差が激しい遼寧省の今後のインフラの整備など地方財政に力が入ることが見込まれます。
 また、次の世代は50代に衣替えすること、留学経験者が増えることでこれまでのような派閥がしだいに減り民主化への政策が期待されます。
 来年の北京オリンピックでは、中国の政治や政策は世界中から注目されます。そのときうまく民主化が進むかどうかは今度の人事にかかっているのです。