Q英語ができるとかっこいい。そんなふうに思っていた私が配属された部署の女性3人はみんな英語が得意。だから私も英語を話せるようになりたいと思ってはいるものの、周りとの差が大きすぎて、英語が話せないことがいつしかコンプレックスになってしまいました。どんな英語の本を買って勉強しても、英会話教室に5年通ってみてもうまく話せない、長続きしない。いったい英語の勉強はどうやればいいんですか?

 今回の相談者A子さんは、高校・大学では英語が得意でした。でも、テスト勉強が主だったからか、勉強の仕方が違うのか、社会人になってからは、英会話学校に通ってもまったく身につかない。A子さんはどのように勉強すれば英語を身につけることができるのでしょうか。
 A子さんは現在、不動産会社に勤務していますが、いずれは外国人向けの不動産販売や賃貸の業務にも関わっていきたいと思っているそうです。

リカ先生
 英語を勉強している人の多くが抱えるのが、A子さんのような悩みです。「英語ができることがかっこいい」、「だから自分も英語を学ぶ」という、ぼんやりとしたイメージ=目的しかないことです。英語ができる自分のイメージを「外国人と会話しているかっこいい私」と思い描いている人が多いようですが、ちょっと待って! 具体的には英語の何を勉強したいのか考えてみて!話したいの?書きたいの?「外国人と英語を話す姿をかっこいい」とイメージしても、日本ではそんなチャンスは実は少ないですね。
Aさん
 なんとなくいつでもいいから、いつか将来は英語を使った職業に就けたらいいなと思っていました。今は不動産業界での仕事が面白いから、その中で外国人専用の国際部を立ち上げたいと思っています。外国人のお客さんと話せれば高級賃貸物件を手がけることもできるかもしれないし、そうでなくても言葉に困っている留学生の支援をすることができる。人の役に立っているという気持ちが強く感じられます。
リカ先生
 なるほど。具体的な目的があることが分かりました。では、どんな勉強法が必要だと思う?
Aさん
 とにかく日常会話が大事だと思うから英会話学校に通ったり、CDを買ってヒアリングの勉強したりテレビで放送される英語講座を聞いたりしていました。
リカ先生
 A子さんが試してきたことも実は英語を学んでいる人の多くが勘違いするポイントです。それは、日常会話にこだわりすぎて長時間日常会話ばかりを勉強していること。時間をかけてコツコツ勉強することは重要だけど、仕事もしながらとなると忙しくて挫折してしまうことも少なからずありますよね。A子さんの場合は、不動産業界で働いているという強みがあることを忘れないで! まずはその強みを生かして、専門用語から始めてみましょう。最初はちんぷんかんぷんかもしれませんが、安心して下さい。専門分野の英語から勉強することで、日常会話もあとから身についてくるんです。
私がおすすめする、これからA子さんがするべき勉強法は以下のとおりです。
1)まず、よく使う専門用語を英語に訳してください。
例)敷金(SECURITY DEPOSIT)
2)次にそれを英語で説明してください。
例)敷金とは部屋を借りる前に、部屋代金の3ヶ月分を預けること。部屋を出るときに清算されて返金します。
In Japan, tenants are required to provide a security deposit equal to three month’s rent.
 外国人とは文化・習慣・しきたりも違います。敷金は現状維持の状態のみ全額返却され、物を壊してしまったり損害を与えた場合にはその分が差し引かれるから大事に利用してほしいこと、などを親切に英語で説明できるようにノートに準備しましょう。
 敷金は預かり金という意味でわかりやすいのですが、外国では「礼金」というシステムがない国がほとんどです。不動産会社へのサービス料金、謝礼はなぜ必要なのか?と理解されないことがあります。きちんと説明し理解してもらえるようにすることです。
 そして次に契約書をかわすときに必要な英語を説明できるように、契約書にでてくる単語すべて書いて訳してみてください。次にそれを声に出して説明してください。
3)次にプライベートで英語の先生と質疑応答をお願いしてください。グループで習うと集中力が欠けてしまいます。自分が準備した不動産契約書が理解できるか、英語の先生に顧客の役を担当してもらいにいろいろ質問してもらいましょう。結果的に、そのほうが早く英語が身につきます。
4)テープに録音して復習する。プライベートレッスンでいくら頑張っても時間がたてば忘れてしまいます。ノートに書き込んでいれば単語は思い出すかもしれませんが発音は忘れてしまいます。
 授業で習ったこと会話をテープに録音して、後で自分で何回も聞いてください。自然に発音が頭の中で覚えるようになります。
Aさん
 なるほど、そうだったんですね。これまで私はただ漠然とグループレッスンを受けていたんですね。具体的に会社でどう役に立つというイメージもできず、結果、ちゃんと英語を身につけることができなかったんですね。
▼リカ先生の本日のお告げ▼
英語は何のために勉強したいのか具体的にイメージしよう。英語は日常会話にこだわるな。最初から専門用語に挑戦しよう。