THE21(PHP研究所)5月号
http://www.php.co.jp/magazine/the21/?unique_issue_id=14307
P72 中国で成功を収める「小さな大企業」
☆これからどんな中国ビジネスが流行る?☆
 
 さらなる成長を続ける中国。これからビジネスに参入するとしたら、
どんな分野に商機があるのだろうか?中国事情に詳しいジャーナリストの
柏木理佳さんにうかがった。
 
 
 大資本をもたない会社がこれから参入するとしたら、まず教育ビジネスには
可能性があるのでは。
 中国は「家計の半分を教育費に回す」といわれる教育熱心な国です。勉強は
もちろん、最近はテニスやゴルフ、ピアノなど、社会のステータスを感じさせる
習い事に人気が集まっています。
 じつは、これまで中国では、学校でのスポーツ教育が行われてきません
でした。親の多くは欧米発のスポーツをやったことがないため、お金を
かけても子供に習わせたい人が多いようです。子供に才能があれば、
海外へのスポーツ留学を親戚中で支援するなど、期待は日本以上に
高いといえます。
 また、内装やインテリアの仕事にも将来性があると思います。中国では、
家やマンションを購入しても内装が施されていない「スケルトン」の状態で
引き渡されるのが普通です。購入者は、業者に頼むなどして好みの内装
に仕上げるわけですが、日本人が関っている内装業者は仕事がていねいだと、
駐在する日本人だけでなく、中国人の富裕層からも評判のようです。こうした
日本人ならではの細やかさが生きる分野は、これからさらにニーズが高まる
でしょう。
 また、中国は、大気汚染や黄砂などの環境問題を抱えているため、衛生面
での技術やサービスには高い潜在ニーズがあります。たとえば、クリーニング
・サービスなどは、今後、日本のように成長する可能性があります。富裕層は
メイドさんを雇えばすむのでクリーニングを外部委託するという習慣は、まだ
それほど広まっていませんが、今後、サラリーマンを中心とした中間層が増えて
くれば、ビジネスチャンスが広まります。