百楽10月号(10月1日発行)
柏木理佳の熟年世代・資産運用セミナー連載第7回

 
インターネット保険、いざというときに安心なの?
景気低迷が続く中、中高年の間にも〝賢い節約志向〟が広がっています。
その関心事は自動車保険の見直し。これまでも「運転者の制限」や「運転者の年齢条件」や「走行距離」で自動車保険を割安にすることができました。しかしいま、見直されているのは「インターネット保険」。従来型から切り替えるだけで割安になります。しかし、保険は〝いざというとき〟に備えるもの。ネットの上でのやりとりだけで、緊急時の対応をしてくれるのでしょうか?そこで今回は自動車保険の見直し、いま流行のインターネット自動車保険のメリット・デメリットについて、私がお答えします。
見直しのポイント――
「年齢制限」は1歳ごと見直しでお得になる?!
新しく自動車を買ったとき、あるいは買い換えたのを機会に、自動車保険を見直す人は多い
でしょう。一般的には「運転する人を限定」したり、「運転者の年齢条件を制限」すると、保険料が割安になります。年齢制限は「すべての年齢の人が対象」「21歳以上が対象」「26歳以上が対象」「30歳以上が対象」などに分けられていますが、たとえば「全年齢を対象」に保険をかけていたときは12万1530円だったのが、「30歳以上に限定」すると約7万円も節約できることがあります。最近では「35歳以上が保険の適用になる」「65歳以上は対象にしない」、さらに「1歳刻みの年齢で設定」などにより保険料を分けている保険会社もあるので、保険会社に問い合わせてください。また「運転者を制限」して、運転者を本人だけに限定(本人限定特例)し友人や配偶者を除外すれば、その分保険料は安くなります。
見直しのポイント――
年間走行距離で決める!
「走行距離が少ない人ほど安くなる」「保険料は走った分だけでOK」という広告を目にします。通販型の自動車保険を中心に「年間走行距離で割引」をアピールする保険会社が増えているのです。この制度はソニー損保をはじめ、いくつかの保険会社が取り入れています。とくに熟年世代は通勤に車を使うことは少なく週末にしか運転しないという方も多いはず。そんな方はこの割引制度を利用しない手はありません。では、どうして走行距離が少ないほど保険料が安くなるのか?
・年間の走行距離が短い=事故リスクが低い=保険料が安い
・年間の走行距離が長い=事故リスクが高い=保険料が高い
年間の走行距離が少なければ事故の確率も減るので、その分、保険料が安くなるというわ
けです。この場合、契約するときに保険会社には「自分はこれから1年間、これくらいの距離を走るだろう」と予想して走行距離を申告します。自己申告するだけで、保険会社が調べることはありません。走行距離が短いほど保険料がお得になるのなら、年間走行距離を大幅に少なく申告すれば……と悪い考えを起こしがちですが、これはいけません。万が一、事故を起こしたとき、自己申告の距離数と実際が大きく異なれば「違反行為」となって、保険金が下りない場合や、更新の際に追加保険料を請求されることもあります。「でも、思ったより遠出が多くなって、予想した距離を超えてしまったよ」という場合もあるでしょう。こうした場合、、すぐに保険会社に連絡すれば補償は大丈夫です。ただし、一口に「走行距離」といっても、制度も距離区分も会社によってまちまちです。自分にいちばん当てはまりそうな条件を出している会社で見積もりを取るのが〝賢い保険活用法〟です。
もし自分の年間走行距離が区分できるなら、「3000㎞以下」「7000㎞以下」「1万1000㎞以下」「1万6000㎞以下」「1万6000 ㎞ 以上」と分けているソニー損保、「3000 ㎞以下」「5000 ㎞ 以下」「1万㎞ 以下」「1万5000 ㎞ 以下」「1万5000 ㎞ 以上」に分けているチューリッヒ保険、「4000 ㎞ 以上」「8000 ㎞以上」「1万2000 ㎞ 以上」「1万6000㎞以上」に分けているそんぽ24などがお得です。一方、年間予想走行距離を超えたり、下回ったりする場合もありえますが、ソニー損保の「こえても安心サービス」は走行距離を超えても追加の保険料支払いの必要がありません、翌年は超えた距離区分での継続が必要です。また「くりこし割引」といって、予想走行距離に達しなかった分の保険料を割り引いて翌年度に継続できます。たとえば5000キロ足りなかったら、翌年度の保険料からその分に相応する額が割引かれます。もちろん、これらは適用条件を満たす必要がありますが、いずれも契約者にうれしいサービス。走行距離別割引ではソニー損保に一日の長があるといえそうです。
代理店型保険・通販型保険のメリット・デメリットー
★保険代理店で入る
代理店は保険のプロです。専門家だけあって、相対的によく勉強している人が多く、安心です。つまり、代理店と契約すると、プロのアドバイスを受けられるというメリットがあります。自動車保険というのはややこしい仕組みになっていて、しかもいまは、「リスク細分型」といわれる保険条件を細かく設定するタイプが主流です。自分にとって必要なもの、不必要なものを見極められとかえって高くついてしまうので、迷ったらプロのアドバイスを頼りにするという方法もあります。万が一事故に遭ったときには保険会社とのやりとりを代行してくれるので、いざというときは安心です。○通信販売で入るインターネットや電話によって、代理店を介さずに、直接、契約を結ぶ「通販型」の自動車保険です。
安さや手軽さが人気で、加入者は増えています。ある調査では261%がインターネット経由で自動車保険に加入したという結果が出ています。まず電話やインターネットで見積りを取ったうえで、契約書類が送られてくるので署名して保険料を支払うだけで手続きは簡単です。ただし契約の案内、トラブルのサポート、細かな質問に答えてくれるのはコールセンターのスタッフで、彼らは研修を経て保険知識を身につけたプロですが、代理店のように、「個別のお客の担当スタッフ」ではありません。声は聞けますが、直接会うこともありません。つまり、通販型は主にインターネットでやりとりするため、担当者とのコミュニケーションがとりづらいのが難点。事故の場合、相手との最初の保障交渉は自分でしなければならない場合もあり、保険金請求でも、自分で書類をつくるなどの手間がかかるのも通販型のデメリットかもしれません。逆にロードサービス分野では、現場直行サービスの提供など、通販型自動車保険の充実ぶりは目を見張るものがあります。通販型自動車保険のメリットはなんといっても保険料の安さ。一般的に従来の代理店型より2~3割も安くなり、中には半額近くになる場合もあります。なぜ保険料を安くできるかといえば、代理店のように営業担当者がいないため、人件費が削減されるからです。保険料には純保険料
率と付加保険料率にわけられ、付加保険料率の内訳として代理店の手数料は約2割を占めています。加入者本人が自分でインターネットを使って見積もりや申し込みなどの手続きをするため、経費が削減でき、その分だけ保険料が安くできるのです。ただ契約者の運転歴や使用状況によりかえって高くなる場合もありますので、見積もりを取った上でよく検討しましょう。最近では車種やナンバー、乗り方、乗る回数、希望の補償内容などを入力するだけで、安い保険料の順番に保険会社を紹介してくれるサイトもあります。「自動車保険比較」などのキーワードでネットを検索してください。一括見積もりした後、保険会社の口コミサイトなどをチェックして切り替えるのも賢明な方法です。会社によって違いますが、インターネット自動車保険に加入するだけで、「新規契約割引」として2500円~7000円割引になります。中には保険料から10%割引のところもあります。アクサダイレクトやチューリッヒがこれを実施しています。「継続契約」として最大5500円割引するなど各社とも、こぞって割引をしています。
通信型自動車保険で補償は大丈夫?
自動車保険の補償は7種類あります。「対人賠償保険」「自損事故傷害特約」「無保険車傷害保険」「対物賠償保険」「搭乗者傷害保険」「車両保険」「人身傷害補償保険」です。安心のためにはむろん全部の保険に加入するのがベストです。でも、自分の条件や自動車の乗り方などを考えて選択すれば安くなります。通販型保険で本当に大丈夫?」という声がありますが、事故の対応がきちんとできない会社には保険認可は下りません。「事故の際に来てくれない」「示談交渉が不利になる」などとささやかれることもありますが、対応が悪ければ保険会社も生き残っていけません。ただ、契約手続きや事故対応は、代理店を通さず保険会社が直接行なうことが多いため、保険会社と直接やりとりしますし、担当者がいる代理店でも事故対応のベテランもいれば、そうでない人もいます。アフターサービスの内容をよく調べてから決めるといいでしょう。通販型で注意するべき点は、対人や対物補償保険、他車運転補償保険特約の補償内容がきちんとしているかどうかです。契約の際には、自分でよく契約書を読んで、補償内容を理解する必要がありますが、とくにネットを利用する場合は、保障内容、事故の対応方法などをきちんと把握し相談していくことが大事です。自分で交渉や保険内容をよく把握ていると思える人は通販型、保険に慣れていない人は代理店経由のほうがよいでしょう。