世界中で買収攻勢を強める中国企業に対して強まる各国の警戒感 世界経済が低迷する中、中国企業の勢いが目立っている。力をつけている中国企業が、世界の資源を求めてここぞとばかりに海外進出を進め、買収は40ヵ国以上に及んでいる。 そのターゲットは、日本企業も例外ではない。中国にとって日本企業が魅力的なのは、製造業の技術力だけではない。昨年は、Kappaなどのブランドを展開するスポーツ関連メーカー「フェニックス」を、中国のスポーツメーカー「中国動向」が買収。株式保有比… 続きを読む
世界の期待はずれ! 全人代に経済政策を盛り込まなかった本当の理由は? 上海A株指数だけが3割上昇し、世界一の上昇率を誇る中国株が注目されている中で、中国は建国60年の節目を迎えた。そんな中、全国人民大会(全人代)が3月5日から3月13日まで開かれた。 全人代で大きな経済政策が盛り込まれることが期待されたことで、3月5日の上海総合指数は2221.08ポイントで前日終値より1.04%上昇。銅、亜鉛、アルミ価格が注目され「中国アルミ」が0.52%、「雲南銅業」は3.35%高… 続きを読む
世界トップ3を占めた中国の銀行が、 再びランク外へ転落する可能性 米国金融危機でシティバンク、バンク・オブ・アメリカなど米国銀行が壊滅し、米国では銀行の国有化が話題になっている。今年に入って中国株のみが上昇、中国経済の存在感が増している中、とうとう中国の銀行が世界の銀行のトップにのぼりつめた。香港に上場している中国工商銀行が、時価総額で世界第1位になり、トップ3位は中国が独占した。 中国では金融危機の影響は、銀行の業績全体の2-3%にしか及んでいない。中国の四大国… 続きを読む
ブラウン首相が中国に謝罪!中国頼み以外にない英国経済の惨憺 ローマで主要7ヵ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開かれていたが、日経平均は下落、期待していた効果はあまり見られなかった。 G7では、各国が協調して政策手段を用いること、米国の保護主義の動きに対して牽制することを確認しあったが、結局、大きく株価に影響するだけの好材料は見られず、4月にロンドンで予定されている第2回の金融サミット(G20)に向けて、宿題は持ち越された形になった。 ロンドン株式市場も、1… 続きを読む
オバマ新政権を警戒する中国と、 中国経済に神経とがらす米国 オバマ氏の異母弟が中国人女性と結婚し、7年前から広東省・深セン市で生活している。 21年も会ってなかったマーク・デサンジョ氏は輸出業を営みながら、ボランティア活動に従事しており、今後はオバマ氏の就任を祝って米国に渡るなど関係強化が進むことが伝えられている。 初めてのアフリカ系の大統領、バラク・オバマ氏が米国で就任したことを受けて、「華僑系の人が大統領になることも夢じゃない」と、中国が低迷する中で、チャ… 続きを読む
失業保険では生活できない! 統計数字以上に深刻な中国の失業事情 業績悪化のツケをまわされ、怒涛のように増え続ける非正規雇用者の契約打ち切りと、ついに1000人を超えた高校生、大学生の内定取り消し。オバマ氏の大統領就任で経済復活の期待に沸く米国とは対照的に、日本経済は重苦しく、今年はますます悪化することが見込まれる。 私が外資系企業に勤務していたとき、毎月のようにクビになるリストラ社員を目の当たりにしながら、めったにリストラをしない生ぬるい日本企業のファミリー企業… 続きを読む
9がつく年は波乱が起きる? 2009年中国は動乱の一年となるか 中国経済が低迷している中、2009年の中国は波乱の年になりそうだ。1年間で五輪特需によるバブルとその崩壊と両方を経験した中国だが、さて、2009年はどうなるのか? ここに一つ、興味深いジンクスがある。実は中国の過去を振り返ると、終戦後以降、末尾に9のつく年は、歴史に残る波乱の年になっているのだ。さかのぼると以下のようになる。 【1949年】いわゆる中華人民共和国が建国された。毛沢東によって中華人民共和… 続きを読む
「今こそ、アメリカ買い!」を合言葉に色めき立つ中国 ■ 「今こそ、アメリカ買い!」を合言葉に色めき立つ中国 中国に行くと、大学の教授や社会科学院(政府系シンクタンク)の研究員など経済の専門家たちがそろって口にする言葉がある。「今こそ、アメリカを買うべきだ!」である。 その勢いは、驚異的としかいいようがない。これまでの恨みを晴らすかのようである。まるで強気だったライオンが弱った瞬間に襲いかかるかのような勢いである。 事実、このところ中国企業による米国企業の買… 続きを読む
かつての公害大国・日本を救った技術が、 中国の大気汚染低減に貢献する 中国の政府系ファンドである中国投資有限責任公司(CIC)がAIG傘下の生命保険会社、米アリコの株式を最大49%取得することが注目されている。すでにCICは米モルガン・スタンレーに50億米ドル、持ち株比率9.9%を出資しているが、中国は金融危機をマイナスではなく、米国への投資のチャンスととらえている。 対外投資が急増する背景には、オバマ氏が大統領に選ばれたことがある。次期政権で人民元切り上げ圧力が高ま… 続きを読む
金融危機の痛手が少なかった中国 人民元の力は今後ますます増していく 「中国の一人当たりの炭素排出量は先進国の平均レベルの3分の1にも達しておらず、1人当たりの過去の累計量から見ればさらに低い」 二酸化炭素排出量で1位を占める中国は、酸化炭素排出量規制に対して、こう言い訳している。 北京五輪を終えた中国は、もう、これまでのような途上国ではない。急激な経済成長とともに環境への負担は大きく、その代償はこれから本格的に訪れることになる。 先月行われた中国・デンマーク気候変動ハイ… 続きを読む
金融危機の痛手が少なかった中国 人民元の力は今後ますます増していく 日中韓などアジアと、欧州各国を合わせた45ヵ国・機関の首脳が出席したアジア欧州会議(ASEM)が北京で開かれた。ASEM全体の経済規模は世界の約半分を占めており、米国主導に反感を示す開催地である中国にとっては大きな存在感を残すことができたのではないか。 さらに中国は、来月ワシントンで開かれる緊急首脳会合(金融サミット)に中国も参加するべきだという各国の意向に応え、正式に出席することにもなった。 ■国有… 続きを読む
中国政府が打ち出した農村改革は、食品問題解決の糸口になるか 中国で、北京五輪などの開発のため強制的に土地を収用された農民たちの不満が爆発している。農民人口が8億人以上もいるといわれている中国で、土地を奪われた農民の中には、立ち退きに抵抗して焼身自殺する人も現れた。 農薬や汚染など、中国の深刻な食品問題を根本的に解決するには、実は農業の改革が必要不可欠だ。最低限の生活さえ保障されていない貧困な農村地域では、農薬使用のリスクや、工業地域からの汚染された水による農… 続きを読む
深刻な中国の水質汚染は、日本の環境ビジネスにとってのチャンス メラミン騒動で、中国製品の安全性に対しての不安が再び高まっている。 今回の事件では、中国では有名な乳業企業である4社──内蒙古蒙牛乳業集団股フン有限公司(蒙牛)、内蒙古伊利実業集団股有限公司(伊利)、石家庄三鹿集団股有限公司、光明乳業股有限公司の乳製品にもメラミンが混入していた。 ところが実態はもっと恐ろしい。なぜなら大企業よりも販売ルートが明確でない中小規模の乳業企業が中国全土には1600社もある。… 続きを読む
中国で多くの日系企業が環境基準違反のブラックリストに! 中国には、おもしろい地図がある。いや、恐ろしい地図といったほうがいいかもしれない。排水基準に違反している企業が、すべてインターネットのサイトに公表されているのだ。中国国内企業も対象であるが、中国に進出しているすべての外資系企業も対象となっている。もちろん日本企業も含まれる。 ■日本企業も12社が違反企業として公表 そのサイトとは、中国環境NGOの市民・公衆と環境研究センターが06年に完成させた「中国水… 続きを読む
ポリ袋も使えない中国の深刻な資源不足とエネルギー問題 北京五輪でどの会場の売店、繁華街のマクドナルドに行っても不親切なことがあった。500mlのミネラルウォーターを10人分購入しても袋をくれない。腕に抱えて落ちそうになるのを必死で持っているというのに知らん顔。マクドナルドでは私の隣にいた欧米人が「なぜ手さげ袋くれないのか?」とわめきたてていたが、店員は「ない。手下げ袋などみたこともない」の一点張り。 やっと取り出してきたのが、薄い茶色のA4サイズほどの… 続きを読む
準備が間に合わず、規制ばかりが目に付くドタバタの北京五輪 8月8日の北京五輪まであと少し。私は柔道やバレーボールなどを観戦するが、五輪を迎える北京の準備態勢はまったく整っているとはいえない。 テロ警戒に重点を置いているからなのか、警察が大量に動員されてはいるが、その取締りの加減は担当警察官しだい。法治国家でない共産主義の中国では、たとえトラブルにあっても、交渉しだいで結果は違ってくる。 日本でも、夏は水を長期間使わない空き室のマンションなどでは配管の臭いが気… 続きを読む
芥川賞受賞「時が滲む朝」の価値を、中国には認めてもらえない現実 芥川賞受賞作の「時が滲(にじ)む朝」を買いに行った。自転車で近所の本屋に出かけたが売り切れで、月末にならないと入荷しないという。それから3軒の書店を回ったがどこも売り切れ。とうとう1時間も離れた大型店まで自転車で走って、ようやく手に入れることができた。さすがは史上初の中国人作家による芥川賞だけあって、注目度が高いということだろう。 購入後、さっそく読んでみた。中国人著者、楊逸氏が書いた日本語は、やや… 続きを読む
北京五輪を目前に控え、慌てて環境対策に取り組む中国の本気度。 「北京五輪で中国は世界に注目されたけど、悲惨な年になった」 「北京五輪でルールを知らない中国人観戦客が反日攻撃?」 「マナーの悪さで中国人はまた批判を受けるのでは?」 「大会中に食中毒があったら、中国食品問題が再び沸騰する」 など、五輪開始を前に、中国に対してさまざまな憶測が飛んでいる。 私は今年前半、模倣品を製造している中国企業が米国など世界から訴訟される事例が続出し、その影響により企業業績が悪化すること… 続きを読む
四川大地震が中国の政治経済に与える影響は計り知れない。 ■ 福田首相の人気取りと中国の資源不足で利害一致したガス田共同開発 日中問題の根底は、歴史的問題と、ガス田による領土問題である。その一つであるガス田「白樺(中国名・春暁)」の問題に大きな発展があると報道された。 6月18日、高村外相と甘利経産相が、東シナ海のガス田問題で一部のガス田やその周辺区域を共同開発することで合意したと発表した。域内で最大の埋蔵量を持つといわれている白樺では、出資比率は中国側が過半… 続きを読む
中国の成長と変化が、日本に5年間の物価上昇をもたらす。 河南省で、高速道路のガソリンスタンドで順番を待っていた車の列で割り込みをしたトラック運転手が、ほかの運転手たちから集団暴行を受けて死亡する事件があった。まるで四川大地震でミネラルウォーターをうばいとっているような姿である。 また上海市では、平常通りの営業を維持するガソリンスタンドは半分以下に減少した。広州市ではガソリンスタンドの8割の店で石油の輸送が滞り、ガソリン供給ができない状況である。軽油の場合… 続きを読む
四川大地震が中国の政治経済に与える影響は計り知れない 大地震の際、現地にいる知人から連絡があった。 「中国の報道では何も得られない。中国のテレビをずっと見ていると、あたかも救出活動がすべて終わって、一息ついて『過去を振り返るドキュメンタリー』のような番組作り。いまだに生き埋めになっている人が大勢いるのに」 日本で私もずっとCATVを見続けているが、地震の被害者数など国内向けの情報は、日本に提供している報道内容よりも少ない。 現地の知人の話は続く。 「レストラ… 続きを読む
北京五輪が成功しても、中国には深刻な環境問題が控えている 4月20日に北京で行われたマラソンの五輪プレ大会で、突然、不自然な大雨が31ミリも降ってきて選手を驚かせた。この突然の雨と、前日より10度も低くなった寒さに、選手たちは疲労を隠せない様子だった。 この雨は、北京市当局が人工的に降らせたものだった。中国環境保護省は、北京市内が15日から5日間、大気が「軽微汚染」の状態だったが、20日は「良」、21日は最高の「優」だったとして、人工降雨の成果を強調した。 … 続きを読む
胡錦濤体制が続く限り、もはやチベット問題は抑えきれない ■ 胡錦濤体制が続く限り、もはやチベット問題は抑えきれない チベット問題で、共産主義が足音を立てて崩れている。 近年、チベット自治区ラサでは小規模なデモが繰り返され、弾圧が行われている。今回のチベット問題は、これまで中国国内では抑えられてきた小規模デモに対する弾圧が、チベット自治区では通用しなかったことが明らかになった。 今回、中国政府にとって手痛かったのは、3月16日までの党大会の時期を狙われたことだ。… 続きを読む
全人代で異例の自己批判に徹した中国政府の新に ■ 全人代で異例の自己批判に徹した中国政府の新に 全人代(全国人民代表大会)が3月5日に開幕した。日本の国会にあたるが、日本よりも大変重要視されている大会である。この大会で発表された政策内容は、産業に直接影響する。そのため各産業界関係者だけでなく株式投資家たちの間でも、全人代の直前にはさまざまな政策の噂も流れ株価が揺れるのもそのせいである。当日は一言ならずとも聞き漏らさない、といわんばかりに情報収集に… 続きを読む
モラルなき輸入が続く限り、メタミドホス騒動は繰り返す ■ モラルなき輸入が続く限り、メタミドホス騒動は繰り返す メタミドホスが次々に発見されている。それも、製造元は“日本企業”である。2月19日、中国山東省にある「山東仁木食品」が製造した冷凍ニラ肉まんからメタミドホスが検出された。さらに翌日には同じグループ会社の「清清仁木食品」からメタミドホスと同様に毒性の強い有機リン系農薬「ホレート」入りの冷凍カツが見つかっている。「山東仁木食品」「清清仁木食品」とも… 続きを読む
中華街にも深刻なダメージを与えた中国食品問題 ■ 「中華街にも深刻なダメージを与えた中国食品問題」 <今年の旧正月はギョーザで祝えない> 2月7日から中国のお正月、いわゆる旧正月が始まった。世界中、中国人が経営する店はどんな日も休みなしで開店しているが、この期間だけは1週間も閉店だ。日本はお正月といえば実家に帰省する人が多いが、中国でも同じである。都市部に出稼ぎに働きに出かけている人も旧正月だけは必ずっといっていいほど地方に帰省する。日本にいる中国… 続きを読む
悪名高い中国食品事情が改善されない理由 ■ 悪名高い中国食品事情が改善されない理由 「中国人が食品事情に詳しくなり、野菜について農薬を洗剤につけて洗う家庭が増えた」「信頼性のある日本食レストランで食事をする人が増えた」と日本のマスコミは騒いでいた。 ところが実際に上海市のレストランを何軒も訪問したが、学生や一般的な人々は、国内で食品問題がおきていることさえ知らなかった。日式の日本食レストランで働いている中国人アルバイトでさえ、この問題を知らな… 続きを読む
北京五輪ボイコットが叫ばれる背景とは ■ 北京五輪ボイコットが叫ばれる背景とは 中国の資源不足は深刻である。すでに40ヵ国もの国に石油企業の獲得のため進出している。目的を達成するためなら手段にこだわらない中国が、今度は内戦が起きているアフリカ北部のスーダンにまで手をだした。 2007年、中国はスーダン・ダルフール地区の13の原油鉱区の探査権を獲得した。中国石油天然ガス集団(CNPC)が、スーダンの国営石油会社 Sundapet社など石油生産企… 続きを読む