日中関係協力 官民レベルで少しずつ進歩。 省エネ製品 所得向上が先か価格低下先か。

購買力平価で見ると世界第2位の経済大国となった中国。資源・エネルギーの消費量も米国に迫る勢いで、それだけでに環境問題が深刻化しているが、経済成長に環境対策が追いつかない状況が続いている。中国政府の悩みは深いが、広すぎる国土と13億人の人口、複雑な地方自治制度、所得格差問題など、政治、経済、社会のあらゆる側面で大きな課題を抱えている。
北京市の街を歩くと、百貨店では省エネインバーターエアコンが店頭を飾
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景気減速、金融危機で環境対策に後退懸念。 温暖化防止で中国への圧力強まるも道遠く。

 景気減速、世界的な金融危機の余波で、中国の環境対策に後退懸念が出てきた。一方、日本政府は12月にポーランドで開かれる「気候変動枠組み条約第14回締約国会議」(COP14)で、中国、インドなど温室効果ガスの大量排出国を念頭に置いたエネルギー効率目標の創設を提案する。失速感が出ている経済の立て直しと温暖化対策の狭間で揺れる中国の悩みは深い。
 12月にポーランドで「国連気候変動枠組み条約第14回締約国会議
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酸性雨の主犯、脱硫装置のない火力発電。 日本企業、規制で追い風吹くも価格の壁。

 酸性雨の原因物質の主犯のひとつである二酸化硫黄(SO2)の排出量は中国が世界一だ。二酸化硫黄による呼吸器系障害で死亡した例も報告され、環境破壊はますます深刻化している。酸性雨の原因である大気汚染は日本だけでなく米国にまで影響を及ぼしている。
 二酸化硫黄の排出量が多い原因は、中国が石炭火力発電に依存しているため、と前回書いた。今回は、その火力発電所の実態についてレポートする。中国では多くの火力発電所が
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二桁経済成長続き環境破壊が深刻化。1次エネルギーの7割の石炭が元凶に中国固有の法制度や官僚組織に問題。

 国家の威信をかけ「北京五輪」を成功裏に終えた中国で、環境制約の重みが増している。中国の国内総生産(GDP)の実質成長率は、北京五輪特需も手伝って2004年から年率10%を超えている。一方で、2000年ごろから大気、水質、土壌汚染など中国の環境破壊は深刻化。五輪開催に際し、北京周辺の鉄鋼関連の工場の一時的な閉鎖、自動車ナンバー規制、韓国・現代製のタクシーへの代替など、“付け焼刃的”な対策がとられたこ
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