中国で交通手段といえば、地下鉄、マイカー、バス、自転車を利用する人が多く、日本でいう電車の役目を果たしているのが地下鉄です。

 しかし、北京の地下鉄は本当に不便です。中心街の場合は、夜は10時30分頃が最終電車であるため、電車に乗り遅れた人はタクシーで帰宅しなければなりません。

 「じゃ。何のために地下鉄があるの?飲みに行けないね?」と中国人の男性に聞いたところ
「日本人のサラリーマンのように12時近くまで飲む習慣はない。夜遅くまで女性がうろちょろするのはよくないから早く帰りなさい」と、切り替えされてしまいました。

夜遅くまで夜な夜な飲んだくれているのは確かにあまりいいことではないかもしれません。
だけどそれでも、私の地下鉄への不満はおさまりません。
日中でも地下鉄に乗ると車内は薄暗く、5元(1元=約13円)の切符の販売機を設置してある場所も明るくありません。

ちなみに自動改札機も設置されていないところが多く係員さんに切符をちぎってもらいます。最近は日付が記入されている切符も増えていますが、日付も記入されていない薄っぺら意切符もまだまだあり簡単にニセモノ切符を作成できるそうです。その防止対策のためだそうです。

地下鉄のマップをみてみるとわかるのですが、北京の場合は、中心街から東西に走る(東西線ののようなイメージ)が1号線といい、中心地から周辺に走る(丸の内線のようなイメージ)を2号線といいます。
中心街である肝心な場所には地下鉄は通っていないのです。
もともと北京の地下鉄は通勤のために作られました。だから遠方から移動する人のためだけに重点をおいて建設されているのです。

東京の電車に例えると「中央線」のようなイメージでしょうか。地下鉄で言えば、都営浅草線が日本橋まで通っておらず上野が終着駅のようなものです。日本橋や大手町までは通っていないのですから不便です。

まあ、各駅の区間が5分もかかり、5駅走れば25分もかかる広大な広の北京市ですから東京と比較できないかもしれませんが、通勤者は途中まで地下鉄を使い、下車して自転車やバスに乗り換えなければならないのです。
自転車通勤から急にマイカーを持つ人が増えたおかげで、都市部ではひどい渋滞になっています。そのため二酸化炭素の排出量ははアメリカに次いで世界第二位になりました。環境対策のためにも地下鉄の建設を進めなければなりません。

北京当局で策定が進められている「北京市城市快速軌道交通建設規則」によれば、2020年までに建設予定の路線は、地下鉄16路線、郊外線2種類が各6路線の合計28路線となっています。

特に北京オリンピックの開催地の周辺、中関村ハイテクパーク、オリンピック公園及び中心区をつなぐ地下鉄10号線、11号線の新たな環状線は、交通動脈として重大な役目を担う予定です。
北京オリンピックには多くの観光客が便利で快適な地下鉄を利用できるようになっていることを祈ります。