中国人女性の美への意識は、日本人女性の私も顔負けです。

ほぼ毎日、必要以上にエステサロンに通っているかと思ったら、新しく発売されたなめらかな口紅を探して、はるか1時間もかけた店まで買い求めに行きます。

一般的なエステサロンは一回あたり約4000円から6000円で日本より安いですが、現地の人にとってみれば、給料の3分の1に相当します。

このようなサロンに通えるのは中級よりも上のクラスで、もっと安い2000円ほどのサロンには、10代の若い女性が通っています。自由になるお給料の全部を美容につぎ込んでる女性が多いというから、私も見習わなければなりません。

流行の美容室の中に入ってみると、洗練された若い女性が、日本と同様にファッション雑誌をみながら待っていました。

ところが、さらに、その横には、待合時間を利用してネールアートをしたい女性が行列をつくって待っていました。40分で約7000円もするというのにです。そして、奥の部屋をのぞいてみるとボディマッサージができる部屋まであるのです。

コンビニエンスストアには300円で売られているストッキングが数種類並んでいます。
中国では、ストッキング、脱毛、香水、エステ、ヘアーエステ、ネールアートなどが、やっと拡大し始めたといってもいいでしょう。

中国で美容製品が流行する理由に、水や排気ガス、乾燥といった環境の問題があります。
乾燥がひどいため肌が荒れやすく、唇も乾きます。リップクリームもよりうるおいのあるものを選びたくなります
また、建設ラッシュの進む中国では、ホコリも大変ひどい状況です。洗顔を完璧にしなければシミになります。
こういった理由が化粧品産業の拡大に拍車をかけています。

事実、上海フォーシーズンズホテル内のスパなど2千店舗以上を展開している、「自然美」や香港や中国に化粧品を販売する「SASA」は代表的な美容関連会社ですが、急激に業績も伸びています。

日本企業の「資生堂」も成功しています。中国人の肌に合わせてわざわざ研究開発した「AUPRES(オプレ)」(中国語では「欧珀莱(オポライ)」)の商品が他の商品の10倍もするというのにかなり売れました。

シャンプー・リンス等の関連商品を含んだ2000年の化粧品の中国市場規模は約335億元(1元=約13円)で、ここ数年10%の前年成長率を維持しています。

デパートのお化粧コーナーには、たくさんの人だかりでメークの仕方を勉強していますが、そこには、他のメーカーのサービス接客係りの女性もきているから苦笑いしてしまいます。

この勢いをみればどこの化粧品会社でも進出したくなるのでしょう。
中国の化粧品メーカーは、約3,000社もあり、このうち、外資系の企業は約450社です。
数年後は女性の美意識がもっと高くなり、それにともない化粧品会社の数も絞られてくるのかもしれませんね。
生き残りをかけて、お客の女性だけでなく化粧品会社の女性も美しさに磨きをかけるのに必死です。