◆自由になるのは
 サラリーマンの小遣いの使い道はどうなっているのだろうか。2年間かけてサラリーマン(既婚)を中心に100人を取材した生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんから話を聞いた。
 昨年夏に「男の小遣い帳」(東邦出版)を出版した柏木さんによると、小遣いの平均額は3万円から4万円台前半。使い道は「昼食代など『必需品』に使われることが多く、自由になるのは本当に限られた金額でした」と言う。
 サラリーマンの「必需品」とは、昼食代、たばこ代、飲み代など。小遣いから「必需品」の額を引いたのが自由になる金。その金は▽書籍・雑誌代▽スポーツ代▽DVD・レンタルビデオ代▽タクシー代▽ガソリン代▽パソコンのプロバイダー費▽携帯電話代——などに使われるという。
◆昼食で工夫
 昼食代は大きな支出。小遣いが増えないなら、「必需品の出費を抑えるしかない」と昼食代を節約する人も多い。柏木さんによると、コンビニ弁当を会社で食べるサラリーマンが多いという。
 柏木さんが取材した42 歳のサラリーマンの小遣いは3万円台(1ヵ月)。昼食はもちろんコンビニ弁当が中心。そのメニューは「ミニ3 食弁当」(295 円)「助六ずし」(390 円)「お好みのり弁」(390 円)「にぎりずし」(500 円)で安く抑える。
 都内を飛び回っているサラリーマンは、昼食代は500 円以下と決めており、安く食事ができる店に詳しくなった。高い店が多いイメージがある原宿だが、駅近くの店の日替わりランチは500 円で、図書館の日替わり定食は390 円で食べることができる。
 節約のためには、情報収集力と努力が必要だと分かった。自宅外で飲むときも、節約を忘れてはならない。
 その飲み方は大きく分けて、「上司にごちそうしてもらう」「缶ビールなどを買って会社で飲む」の2 通り。社内で飲む時のつまみは、同僚と交代で1~2 袋を買う。社内で飲めば、上司がビールを多めに買ってくれることも期待できる。
 まず、自分が小遣いを何に使っているのか、きちんと把握して下さい。限られた小遣いを上手に使うためには、使う前に昼食代など1ヵ月の大まかな支出計画を立てることが大切です。
◆使う前に計画を
 次に、小遣いが足りなければ奥さんと交渉することになります。奥さんも、小遣いアップはなかなか認めてくれないでしょうから、額を増やすのではなく、「クリーニング代は小遣いから外して!」「ビール代は必ずケースで安く買って」などと使える範囲を広げる交渉をしたらどうでしょうか。話し合いがうまくいかなければ、お小遣いとはいえ、自由に使える額がどんどん減ってしまいますよ。(談)
2006年3月17日