■ 中国に依存するベトナム経済の成長
中国からマネーが動く年
このところ香港と中国本土市場(上海・深せん)市場の株式市場が急騰している。
香港H株指数でみると、2001年12月31日に1678香港ドルだったのが桁が一桁増えて1万香港ドルを超える推移を動いている。2001年に購入しそのまま維持していれば7倍以上だ。
上海B株市場においては、2005年の底から持ち直しつつあるが、まだ半分しか元に戻っていない。
一方、深せんB株市場においては天井をついている状態であるから売りのタイミングである。
過剰な投資が止まらない中国において株式市場への過熱も激化している。
今年の中国株のポイントは、欲張りすぎないこと。今年の春遅くても夏には売ることがポイントである。
来年の北京オリンピックまで待たない、それがポイント。
では、その中国からのマネーはどこに流出するのだろうか。
ちょっと気が早いが次のステップを予想してみよう。
150番目のWTO加盟国/ベトナム経済
2006年上半期7.6%実績で過去数年間平均で7%を上回る経済成長を続けているベトナムが注目されている。アジアでは中国に次ぐ経済成長率だ。
少し前の中国と同じように、ベトナムも政策により左右されやすい。そのドイモイ(刷新)政策により国営企業改革が進んでいる。それによって多くの国営企業が株式会社化され上場を目指し企業が活性化している。
ベトナムの上場銘柄は現在50銘柄ほどであるが、政府計画として2年後には770銘柄に拡大するとしている。約4,500社ある国営企業のうち、半分ほどが民営化されている。
今後、上場するのにポイントの一つとなるため民営化は中国よりも促進されるだろう。
上場している企業のうちすでに2銘柄は民間企業である。
世界がベトナムに注目する理由
①労働力のある人口構成
人口は8,400万人と、日本よりも少ないが、人口の半数が20歳以下で、国民平均年齢24才といううらやましい労働市場である。毎年約140万人が労働市場構成に組み込まれている。こういった人口構成を持つ国は経済成長を遂げていることはいうまでもない。
人口は8,400万人と、日本よりも少ないが、人口の半数が20歳以下で、国民平均年齢24才といううらやましい労働市場である。毎年約140万人が労働市場構成に組み込まれている。こういった人口構成を持つ国は経済成長を遂げていることはいうまでもない。
②豊富な天然資源
ベトナムからの輸出品といえば、すぐに思い出せない人がほとんどだろう。漆やアオザイの衣装、竹など手作りの小物くらいしかイメージできない。ところが322億ドル(約3.8兆円)の輸出内、約3分の1が原油が占めている。ベトナムはれっきとした原油輸出国である。内戦が続く中東地域で値段があがる原油資源、資源獲得のために次に注目されるのはベトナムだろう。
ベトナムからの輸出品といえば、すぐに思い出せない人がほとんどだろう。漆やアオザイの衣装、竹など手作りの小物くらいしかイメージできない。ところが322億ドル(約3.8兆円)の輸出内、約3分の1が原油が占めている。ベトナムはれっきとした原油輸出国である。内戦が続く中東地域で値段があがる原油資源、資源獲得のために次に注目されるのはベトナムだろう。
③株式市場の活性化
ホーチミン証券取引所はまだ2000年にできたばかりだが、昨年末で57銘柄が上場、時価総額は約45.14億米ドル(約5,300億円)である。
もっと遅れて政治の町、ハノイにあるハノイ店頭市場は2005年に創設されたばかりでまだ
現在20銘柄しか上場していない。総時価総額は約23億ドル(約2,600億円)でしかない。
しかし、毎月10社ほどが上場し時価総額は確実に増えていて、証券会社には大勢の人が口座開設のために訪問している。ベトナムでは銀行に口座を持っている人が4割しかいないのに、である。
それを後押しするのが、企業の民営化であり、2000年にエンタープライズ法(会社法)が施行され毎年1000社近くの民営化が進むことになる。
この点は中国より改革が進みやすく世界からも長期的視野において投資のポイントになる。
また外国人投資家の株式保有上限が30%から49%に引き上げられた。これが世界からのマネーの流入の増加を後押しすることになる。
ホーチミン証券取引所はまだ2000年にできたばかりだが、昨年末で57銘柄が上場、時価総額は約45.14億米ドル(約5,300億円)である。
もっと遅れて政治の町、ハノイにあるハノイ店頭市場は2005年に創設されたばかりでまだ
現在20銘柄しか上場していない。総時価総額は約23億ドル(約2,600億円)でしかない。
しかし、毎月10社ほどが上場し時価総額は確実に増えていて、証券会社には大勢の人が口座開設のために訪問している。ベトナムでは銀行に口座を持っている人が4割しかいないのに、である。
それを後押しするのが、企業の民営化であり、2000年にエンタープライズ法(会社法)が施行され毎年1000社近くの民営化が進むことになる。
この点は中国より改革が進みやすく世界からも長期的視野において投資のポイントになる。
また外国人投資家の株式保有上限が30%から49%に引き上げられた。これが世界からのマネーの流入の増加を後押しすることになる。
④直接投資額の拡大
チャイナ・プラスワンとして中国から移動する企業、新たに進出する企業などが増加し、その承認金額ベースは約5,800億円を超えた。これは前年に比較すると4割も増加している。
チャイナ・プラスワンとして中国から移動する企業、新たに進出する企業などが増加し、その承認金額ベースは約5,800億円を超えた。これは前年に比較すると4割も増加している。
ベトナムのリスク
ベトナム経済が今まで成長しなかった理由に反米感情がある。ベトナム戦争によってアメリカ嫌いからビジネスにおいてもアメリカと手を組んでいない。
そうして現在の構造は中国に依存している。ベトナムの最大のリスクは中国経済の成長が止まったときにベトナム経済もストップする恐れがあるということ。世界から注目されてからは、ベトナムは中国だけでなく欧州や日本との関係をもっと強くする必要がある。それがベトナム経済成長維持の鍵になる。
柏木理佳の今月のひと言
ベトナム企業の一株あたりの株価は数十円という安さ。むろん全部の銘柄を一株ずつ投資しても全部で30万円ほどにしかならないのです。
当然のことながら今ならPERも低いのです。
しかし、時価総額も小さい市場は未熟で証券会社でも手作業で薦めているほど。数字の桁を一つつけ間違えられるほど未熟でハイリスクでもあります。
それでも日本人とは信頼関係を維持しやすい国民性もあり日本とベトナムの関係は中国より深まるでしょう。