変貌する中華街と毒ギョーザ
日本の外食大手がギョーザ専門店オープン
占い師は雇われた日本人

 あれっ!こんな店あったっけ。
 朝陽門にほど近い上海路のお粥店に向かう途中、左手に見慣れない餃子専門店ができていた。レトロな雰囲気が漂うが、中に入ってみると厨房、カウンターはピッカピカ。メニューには10種類の餃子のほかに、土鍋料理、麺類、炒飯などがズラリ。オープンカウンターで手作りの様子が見て取れる。味も悪くない。
 帰りがけ、ギョーザ事件と無関係を謳うドアの張り紙を見ると、最後に「際コーポレーション」の名前が。そう、紅虎餃子房などのチェーン展開で知られる大手外食企業だ。

 「以前は古い美容院だった建物を、当社代表の知人の仲介で買い取り、昨年12月22日にオープンしました。“最近、中華街が元気ないから活性化させて欲しい”というお話があったということです」(広報担当者)
 中華街の再生、活性化に日本の外食が一肌脱ごうということか。
 最近は、食以外の分野で、日本人の活動が目に付くようになってきた。裏通りには「1000円」と書かれた占い館がひしめいている。
 なぜ中華街に日本人の占い師が?と疑問をぶつけると、中華系経営者に日本人が雇われているそうだ。占い師は定年を迎えるくらいの年配の日本人男性が多く、日本人の若い女性客で結構繁盛している。
 もっと異質な存在もある。吉本興業の「よしもとおもしろ水族館」だ。小さいユニークな水槽で情報提供を充実させ、新人芸人の修行場にもなっている。04年のオープン当時に比べると客数は減少気味だというが、ロイヤリティ収入などで業績は悪くないという。
 華僑による中国料理と生活文化の街、といったイメージから、少しずつ脱却しつつあるかのようだ。