大手スーパーのイオンが漁業共同組合「JFしまね」と直接取引を始め、ジャスコの一部店舗で産地直送の生鮮魚を販売することを発表、今月17日から、実際に取引を開始しました。 
* 小売業者が市場を通さず、漁業者から直接、買い付けを行うのは、異例とのこと。
■小売業者が、直接、漁業者から買い付けることで、通常の仕入れと違い、どういったメリットが双方にあるのでしょうか?
○漁師にとって 
・流通の経費が減るため手取りが最大で1割増える
(燃油高騰で利益が出ない中、流通をうわのせした価格をもらうことになり、安定する)
○消費者にとって
・流通が1日ほど早くなり新鮮な魚を手にすることができる
・ぜんぶ買取というシステムを続ければ、今後は魚の量が増える可能性もなきにしもあらず
: =「昔はもっと多くの魚の種類がスーパーで買えた」「特に週末の魚が新鮮でなくなっている」「魚を食べない子供が増えた」⇒なにより日本の食卓から魚が減っているのをくいとめる
■ 実際、こうした仕入れルートでの販売がスタートしていますが、これまで仲介する立場にあった“市場”は、今後、どのような立場になっていくのでしょうか?
・このような直接取引きが増えていけば、将来は市場の価格が安定しやすくなる(スーパー側が持つため、消費者にとっては価格の急騰が避けられる可能性があり) 
・イオンだけでなく他のスーパーとも連携して対策をとれば、効果が増えることが期待できる
背景: 需要と供給のバランスが壊れている 
・ 世界中の魚業資源の7割は過剰に漁獲され生産の限界まですでにとられている(マグロなど大型魚類の90%は捕り尽くされている)
・日本人は1人当たり年間約60kgの魚介類を消費している世界最大の消費国、世界の3割を消費している
⇒それなのに日本は取り組みが遅れていた
対策
イギリス「海洋管理協議会」が運営している『海のエコ・ラベル』というシールが、日本でも魚にはられているのをみかけるようになった。これは、持続的な海洋資源、需要と供給のバランスを考え環境配慮のある漁をすすめている生産者、魚業を認証しているもの。
消費者、スーパーみんなの意識が変われば、効果も大きくなる
■ 今回は、漁業のみで、こうした取り組みが始まりましたが、今後、農業など、他の分野にまで、この“流れ”は波及するのでしょうか?
同じように農業などでも個人が直接農家から有機野菜を取り寄せている人も増えていますが、まず個人の意識が変わることは、スーパーなどの意識も変えることにつながる。そしてまわりまわって無駄な流通システムがなくなり市場の価格の安定にもつながることになる。
●何より物だけでなく、人、人材派遣の問題にも同じことがいえるのと思います