このところの不景気で加入している保険会社が倒産するのではないかと心配な方もいらっしゃると思います。
 前回は保険会社が健全かどうかチェックする方法についてご紹介しました。今回は、それでも何があるかわからないので、万が一、加入している保険会社が破綻した場合についてお伝えします。万が一、生命保険会社が破綻しても、すぐに保障が無くなる訳ではありません。保険契約者を保護してくれるしくみがあるので安心して下さい。
 ただし注意点がありますのでよくメモしておいてください。
 保険会社はそれぞれ保険契約者保護機構への加入を義務づけていてフリップのようなしくみになっています。
http://www.shiruporuto.jp/finance/hogo/kinho/kinho705.html サイトの図がフリップの参考です。
 保険会社が破綻した場合は大きくわけて2種類あります。
1)救済して合併や株式取得などで救済してくれる場合。2)救済してくれない場合→「保険契約者保護機構」に移転する。
1)救済してくれる保険会社が現れた場合、破綻した保険会社での保険契約は、「救済保険会社」によって保険契約の移転、合併、株式取得により破綻後も継続することができます。たとえば破産したヤマト生命保険は9社が救済会社として名乗り出ています。
2)救済保険会社が現れなかった場合、破綻保険会社の保険契約は、「承継保険会社(保護機構が設立する子会社)に承継される、もしくは「生命保険契約者保護機構」が引き受けることにより、破綻後も継続できます。
 一般的に保険契約者保護機構からの資金援助等があるため、補償対象契約のうち8-9割が保証されています。
(責任準備金(将来における保険金等の支払いのために積み立てられているべき金額)の90%または80%、保険契約により異なります)が補償されます。つまり多くの場合、契約は継続されるため、あわてて解約したほうが損するのです。しかし、注意点があります。
①破たん処理のため予定利率の引き下げなど契約条件の変更が行われることがあります。契約条件の変更により種類や金額が変わり、そもそも変更前の9-8割を大きく下回ることがあります。
②貯蓄性が高い養老保険や終身保険など減少額が多い(これは保障金額が少ない保険(医療保険など)は、逆に影響が小さく現象額も少なくてすむといわれています)
 おおかたの場合は安心ですが、養老保険や終身保険などに加入している人は、破たん処理のため変更されたら大きく下がる懸念があるということです。
まとめ:養老保険や終身保険に加入している方は財務をチェック!!(養老保険や終身保険に加入している方は、すぐに前回のソルベンシーマージン比率や格付け、財務状況をチェックしておきましょう)