5月13日16時~
FM ヨコハマ「E-ne!~good for you~」
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「アグリーカルチャー」
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Q 上海万博がもたらす経済効果について、生活経済ジャーナリスト柏木理佳さんにうかがいます。
柏木さんは今回の上海万博についてどんな風に見ていますか?

現地のマスコミではトータルも予想の半分しか来ないと。
ただ、上海万博事務局は混乱やトラブルを避けたい、パビリオンを4つは見てもらうためには、政府の意向よりも人数が少ないほうがいい。特に夏休みはピークになるからその時期を避けてきて欲しいと忠告。
 
40度近くにまで暑くなる上海、冷房が効いているのはレストランしかなく、満席だったら入れない。休憩施設がないので外で座り込んで食べるしかない。パビリオンの中も椅子や休みところは医務室やコンビニでは体調悪い人があふれている。
 
上海万博で外国人と接する機会が増えた。
→開催期間中だけ上海に出稼ぎに来ている飲食店店員等
→外国人と写真撮影など異文化に触れ
⇒欧米化に興味、マクドナルド店内で転んで前歯を折った女性が訴訟するなど訴訟問題が増加
⇒いずれ市場経済、民主化されてない中国政府に不満になるのでは?

Q 中国というと、特に経済面で世界中が熱い視線を向けています。そんな中国で万博が開かれているということで、今、どんな経済効果生まれていますか?
旅行・観光では旅行費用、ホテルも政府がけん制したため、そんなに高く設されておらず利益は少ないはず。地元では観光スポットである、上海浦東新区のテレビ塔、東方明珠。外食レストランやホテルを経営する上海錦江国際グループが有名だが、利益率は一時的とみている。
上海万博から現在GDP総生産の3割程度の個人消費を拡大する政府の意向が実施されるスタートといえる。
これからは超富裕層向けの新しいサービスがもっと生まれる。イラン館では5600万円のペルシャじゅうたん。キッコーマンがアレンジしている4万円の懐石料理、わざわざ日本で着物で日本式の写真を撮るカップルが増えるなど。
環境、電気自動車、新技術などに注目。上海万博から採用された新型改札システムは1人当たりの改札時間が20秒以内という最新の技術のものになっている。
Q 上海は沿岸部ということで、いち早く経済発展を遂げている地域ですが、これからは内陸部がどのように発展していくかが注目されていますよね?
農村地域でマイカーブーム
→政府は格差をなくし、消費拡大のため、農村部で自動車を購入すると政府が10%補助金を出すなど奨励を出している。万博で上海を訪問した地方出身者にも携帯電話や宝飾品の購買意欲が高まる。

Q ちょうど戦後の日本の高度経済成長の時期に開かれた大阪万博と重ね合わせる報道も多いですが、日本の場合は万博後、景気が悪くなって成長率が落ちました。今回の中国の場合はどうでしょう?
北京五輪の3~4倍の経済効果と見込んでいる地元の経済評論家も多い
 
政府は、上海万博の総投資額は286億元(約4000億円)→パビリオン整備などに半分。事務局は、運営費106億元は入場券とスポンサー、グッズの売り上げなどでカバーできるとしている。
建設費の資本回収は難しいとしている。空港や地下鉄、バス停などの整備も含めると5兆円、資金の回収には時間がかかる。
上海万博関連のインフラの整備、道路、建設ラッシュとしての大きな動きはすでに昨年で終わっているためマンションの建設ラッシュなどは見込めない→不動産価格の下落。
新規貸出額140兆円の3分の2はインフラの整備で企業向けではない。中小企の業の倒産が増加する。
政府は預金準備金を引き上げ、貸し渋りを始めた。
人民元切り上げでインフレ率も高くバブル崩壊が本格化する。

中国の今後の成長率について
「2010 投資中国年会(投資会議)」では2010年の中国経済では
● 中国のGDP成長率を9.6%とすることが可能。
● 中国のインフレ率は2.2%と低レベルに保たれる。
● 中国の投資上昇率は26.4%となり、上昇幅は今年より6.5%下落する。
● 中国の消費は18.5%増加する。

⇒今年までは成長路線を維持しても来年からは下降路線に入る、8%台になってもおかしくない。
柏木さん、ありがとうございました。
明日も、今度は環境面での上海万博について教えてください。