2月17日
J WAVE TOKYO MORNING RADIO
http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/index.htm
気になるニュースにフォーカス! MORNING VISION
日銀は、おととい・15日の金融政策決定会合で、足元の景気認識を「改善テンポの鈍化した状態から徐々に脱しつつある」としました。上方修正は昨年5月以来、9カ月ぶり。
そんな中、きのう、春闘の相場形成に影響力を持つ大手自動車メーカーの労働組合が、春闘の要求書を経営側に一斉に提出しました。春闘が本格的にスタートしましたが、交渉は難航が予想されています。
今朝は、生活経済ジャーナリストの、柏木理佳(かしわぎ・りか)さんにお話を伺います。
*おはようございます。
■今年の春闘、焦点はどこにあるとお考えですか?
(労働側と経営側、それぞれの思惑は・・・)
労働者側にとっては、
★労働者の賃金が減少し続けています。97年と比較して雇用労働者全体で約5%減少している。ここ10年間、年収ベースでみても約55万円余りが減少(国税庁の民間給与実態調査)、年収の格差拡大、というデーターもあるように、⇒日本経済の成長と格差を是正する上でも賃金アップを求めている。
企業側の言い分は、
★為替の一時的な影響、リストラの効果、新興国への依存による業績改善であり、国内消費拡大によるものではないため、本格的な成長が見込めるとは限らない⇒つまり本格的な業績改善とはいえない中、海外の企業に比較すれば時価総額が小さい企業が多く、買収されるリスクがある⇒賃金ではなく会社自体を守る必要がある。国内の消費が拡大されることが、実質的な経済成長につながり、初めて明るい日本経済の将来が見込めると判断したい企業側と、消費者=労働者であることを忘れていると訴えている労働者側の交渉。
■日銀は、景気認識を上方修正しましたが、景気の回復力が緩やかなものにとどまるとの見方は変えず、金融緩和の継続も改めて表明しています。消費の底上げ・デフレ脱却のポイントはどこにあると思われますか?
★日本を抜いてGDP世界第2位に躍り出た中国と比較するとわかりやすいのですが、中国は物価が高くなっている、給料が上昇している、消費が拡大していると3つが上向いているが、日本はまったく逆。この3つが上がれば景気が回復。でも賃金を上げればすぐ景気がよくなるとも限らない。将来の日本経済の先行きが不安なため消費せずに貯金している間は、国内の景気は回復しない。今回の春闘による値上げ見込みは5300円余りがボーナスに追加される程度でしかない。賃金を上昇しても微々たるモノでしかなく、必ずしも全額消費にまわすとは限らない。
⇒高齢化にともない、実は日本の雇用形態を改善しなければ景気が回復するとはいえない。
■では、雇用に関しては、今後どのあたりが課題となりそうでしょうか?
★正社員と非正社員の賃金の格差が3倍以上、非正社員の数は5割近く、問題になっているのにもかかわらず、今でも正社員が減り、非正社員が増えている現状がある。所得が低い層が拡大している。たとえ賃金が上がっても5300円余り、「自分は正社員に比較して給料が低いから」という卑屈な気持ちが残り、消費しようという行動に移らない。
⇒海外では、正社員だからといって生涯働けることが保障されているわけではない。短期間で転職、リストラをしている。
⇒今後は、非正社員、正社員の垣根をなくし、正社員でも年棒制、年間契約の更新という形になるだろう。格差による不平等感がなくなり消費が拡大することが見込める。
*ありがとうございました。
KONICA MINOLTA MONIRNG VISION・・・
今朝は、「今年の春闘の焦点」について、
生活経済ジャーナリストの、柏木理佳(かしわぎ・りか)さんに、お話を伺いました。
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日銀は、おととい・15日の金融政策決定会合で、足元の景気認識を「改善テンポの鈍化した状態から徐々に脱しつつある」としました。上方修正は昨年5月以来、9カ月ぶり。
そんな中、きのう、春闘の相場形成に影響力を持つ大手自動車メーカーの労働組合が、春闘の要求書を経営側に一斉に提出しました。春闘が本格的にスタートしましたが、交渉は難航が予想されています。
今朝は、生活経済ジャーナリストの、柏木理佳(かしわぎ・りか)さんにお話を伺います。
*おはようございます。
■今年の春闘、焦点はどこにあるとお考えですか?
(労働側と経営側、それぞれの思惑は・・・)
労働者側にとっては、
★労働者の賃金が減少し続けています。97年と比較して雇用労働者全体で約5%減少している。ここ10年間、年収ベースでみても約55万円余りが減少(国税庁の民間給与実態調査)、年収の格差拡大、というデーターもあるように、⇒日本経済の成長と格差を是正する上でも賃金アップを求めている。
企業側の言い分は、
★為替の一時的な影響、リストラの効果、新興国への依存による業績改善であり、国内消費拡大によるものではないため、本格的な成長が見込めるとは限らない⇒つまり本格的な業績改善とはいえない中、海外の企業に比較すれば時価総額が小さい企業が多く、買収されるリスクがある⇒賃金ではなく会社自体を守る必要がある。国内の消費が拡大されることが、実質的な経済成長につながり、初めて明るい日本経済の将来が見込めると判断したい企業側と、消費者=労働者であることを忘れていると訴えている労働者側の交渉。
■日銀は、景気認識を上方修正しましたが、景気の回復力が緩やかなものにとどまるとの見方は変えず、金融緩和の継続も改めて表明しています。消費の底上げ・デフレ脱却のポイントはどこにあると思われますか?
★日本を抜いてGDP世界第2位に躍り出た中国と比較するとわかりやすいのですが、中国は物価が高くなっている、給料が上昇している、消費が拡大していると3つが上向いているが、日本はまったく逆。この3つが上がれば景気が回復。でも賃金を上げればすぐ景気がよくなるとも限らない。将来の日本経済の先行きが不安なため消費せずに貯金している間は、国内の景気は回復しない。今回の春闘による値上げ見込みは5300円余りがボーナスに追加される程度でしかない。賃金を上昇しても微々たるモノでしかなく、必ずしも全額消費にまわすとは限らない。
⇒高齢化にともない、実は日本の雇用形態を改善しなければ景気が回復するとはいえない。
■では、雇用に関しては、今後どのあたりが課題となりそうでしょうか?
★正社員と非正社員の賃金の格差が3倍以上、非正社員の数は5割近く、問題になっているのにもかかわらず、今でも正社員が減り、非正社員が増えている現状がある。所得が低い層が拡大している。たとえ賃金が上がっても5300円余り、「自分は正社員に比較して給料が低いから」という卑屈な気持ちが残り、消費しようという行動に移らない。
⇒海外では、正社員だからといって生涯働けることが保障されているわけではない。短期間で転職、リストラをしている。
⇒今後は、非正社員、正社員の垣根をなくし、正社員でも年棒制、年間契約の更新という形になるだろう。格差による不平等感がなくなり消費が拡大することが見込める。
*ありがとうございました。
KONICA MINOLTA MONIRNG VISION・・・
今朝は、「今年の春闘の焦点」について、
生活経済ジャーナリストの、柏木理佳(かしわぎ・りか)さんに、お話を伺いました。