ファンケル健康院出版 百楽 6月号
連載第15回 生活経済ジャーナリスト 柏木理佳の熟年世代のマネー講座

マイライフノートを活用して、いまのうちに相続対策を!
大切な家族と一緒にいかに満ち足りた生活を送るか、そして残された家族にきちんと資産を受け継いでもらいたい
・・・熟年世代は、このテーマを避けて通ることができません。税制改正で相続税や贈与税問題がますます注目を
集める中、このところ大きなブームになっているのが、エンディングノートです。今回はエンディングノートが持つ意
味について、野村證券信託銀行事業部長、毛利祐司さんにお聞きしてまとめました。
 
マイライフノートで家族にメッセージを伝えよう

 
熟年世代のこれからの人生設計を考えるために、資産内容や交友関係、夢などを書きためることができる
エンディングノートが人気です。中でも野村證券が独自に編集したものが大評判になっています。
○エンディングノートをサブタイトルにしてマイライフノートをタイトルにしたら大反響に
○資産運用が専門の野村證券が編集という意外性も
 
書き込み式のノートは「心のアルバム」「夢のキャンパス」「財のクローク」「私のメッセージ」と4部構成になっていま
す。従来のエンディングノートと違い自分史やもしものときの備えだけでなく、夢をかなえるためのステップ、相続や
贈与、資産運用のことなどセカンドライフの充実やお金にかかわることにもスポットが当てられているのがユニーク
です。
○マイライフノートセミナーを全国の支店で開催、生前贈与、相続税、マネープランなど、老後の生活設計
 
もしもの場合に備えて、いまある資産内容を書き込むページがあるのが便利です。いざというときに家族が
困らないように元気なうちに考えておくことが大切です。
○住宅の住み替え、ハッピー介護のあり方などについても参考に
 
家族へのメッセージやお葬式の仕方などを記すページもあります。自分のお葬式をイメージするのは難しい
○残された家族は故人のために盛大にしてあげたいと考えがちですが、もし「葬式はできる限り身内で」などとノートに書いてあれば、思いを尊重できる
○マイライフノートには家族への感謝の気持ちも書ける





 
相続のことを考えるきっかけにしてほしい
 
熟年世代が直面する最大の問題は相続の問題ですが、対策は「財産構成の見直し」、相続税の支払いや遺産の
分割処分などのマネープランを考えておくといいでしょう。たとえば子供や孫への贈与は年間110万円まで無税で
す。この生前贈与を活用するのも手です。
○評価額が下がっている株を孫や妻に名義変更しても110万円まで無税
 
相続税をどうしようと漠然と心配する前に家族で資産について話し合っておくことです。いつ、何が起こるかわから
ない時代に、自分が大切に築いてきた財産だけでなく自分の思い出も家族に残せたら素敵です。
○マイライフノートを書き込んだ後家族で交換方法も