2017年10月3日 bayfm POWER BAY MORNING 6:45~
斎藤りささん「TRENDER」今知っておくべきトレンドや話題のスポーツ、時事ネタなどを、アンテナ高めで紹介。10月から少し社会保障制度に変更があって、そのあたりをじっくり伺おうと思っていたら・・・いきなり衆院解散総選挙となってしまいました。さてさて、このあと私たちの生活はいったいどうなるんでしょうか!?生活経済ジャーナリスト柏木理佳(かしわぎ・りか)さんと電話がつながっています。
Q: 解散の話の前に、まずは今月から年金、医療など社会保障の仕組みが変わったところがあるということで・・・どのあたりが変わったのか、具体的に教えていただけますか?
10月から「改正育児・介護休業法」が施行されます!子供が保育所に入れない場合、これまでは1歳6ヶ月まで育児休暇を延長できたのですが、10月から2歳まで延長できるようになります。
そして、介護休業法では、要介護の家族がいる場合、介護休暇は93日まで1回限りだったのが、3年間の期間に3回まで分けて取得可能になり、介護給付金が月収の約40%から67%に増加されます。介護、育児のいずれの休暇も、1日単位ではなく半日でも取得可能になり、残業を免除するなど申請が可能になります。
私の周りでも介護で仕事を辞めた男性がけっこういます。この改正法が適用される人は、2年以上、被保険者であるなどの条件付きですが、これらの条件は緩和されつつあり、遅きにしろ、色々な環境にある人でも仕事を続けやすくなってきているという点では評価されます。
そして年金についても、受給資格は25年以上払いこんだ人でないともらえなかったのが、合計10年間あれば、もらえるようになります。例えば、私は海外生活10年で、学生生活も長かったので、定年まで働いても25年以下しかおさめることができない計算でした。もらえないのに払っていたのですが、10年の払込なら確実にもらえるようになったので前向きに払う気になりました(笑)。ただ、未納者を減らせるのかという点には疑問があります。年金制度そのものに不信感がある人は、10年以上はわざと払わないという例も増えるという懸念も残っている。
Q:一方・・・先週月曜日にできたばかりの小池新党「希望の党」はどうですか?消費税、社会保障についての考え方はいかに!?
原発ゼロを掲げているが、志はいいと思いますが、実現するまでに数十年かかると言われています。再生エネルギーが構築されていないため、電気代は2倍近くになり、企業の経費も増え、業績は悪化するという試算もある。その数十年の間、何か景気対策を打たないといけない。そこが見えてこない。
Q: 先月発表された月例経済報告でも、景気回復期間が「いざなぎ景気を超えた可能性が高い」 など、景気がいい感じに上向きだ、みたいなことを言ってますが・・・いったい誰が実感しているの!?
私も全く、実感していませんが、タクシーの運転手さんなど実態を調査する景気ウォッチャー調査では東海地方でさえもこのところずっと低迷している。正社員も増えていますが、非正社員も増えているように、株価も日銀がETF上場投資信託を買い上げるなど介入しているだけ。
Q: そんな中、いきなりの衆院解散総選挙。今月10日公示、22日投開票となります。「大義なき解散」とも言われていますがそれでも投票の日はやってくる・・・ということで、投票にあたり、冷静に各党の景気・経済政策を見ていきたい。安倍首相は、リーマンショックのような事態が起きないかぎり予定通り、再来年10月に消費税10%にするけれども借金返済ではなく、社会保障費に充てると述べました。自民党の今回の解散における公約や政策生活経済からみるとポイントはどのあたり?
まず、消費税が上がると買い物せずに節約する人が増える。景気が一時、低迷する懸念がある。消費税を10%にあげる言い訳として、認可保育園の無償化を掲げてますが、現在、保育園料金は、所得に応じて月に3千円から5万円ほど。平均では2万円しか払っていない。幼稚園も1万円あまり。この世代は、おむつなど赤ちゃんにこんなにお金がかかるのかということを初めて実感し節約を意識するとき。これを無償化しても消費にはつながらない。さらに消費者物価指数(CPI)を押し下げ、2%の物価目標達成が遠くなるだけ。
民間保育園や認証保育園(東京都独自の制度)では、働いているいないに関係なく子供をあずけられるが、月に6万円。認証保育所を含めないと意味がない。正社員の親があずけられる認可保育園だけ優遇が進み、格差が広がるだけ。
Q:先ほど言った通り「大義なき」ともいわれるように、小池さんがどうした、民進党どうなるなどの話が先行してなかなか政策が見えてきませんが投票にあたり、生活に直結した経済面で、どんなところに注意したい?何をポイントにみたらいいですか?
一つ一つの政策をよく見ていくと、矛盾していることがある。よく吟味して欲しい。