中小企業の負け組みは進む。
 「うちの産業はこれからますます倒産が増えるよ」
 中小企業のK建設会社に勤務している山本充さん(51歳)は、ショックを隠せずに話してくれた。
中小企業にはますます厳しい時代になるという。
 「あれ以来、今、建設中の建物の構造を変更せざるを得なくなった。新しい建物に図面を変えてやり直す。だけどそれには新たな資金がいるんだ。中小企業だから資金が集まらない。だから建設が進まない」
 そういえば、私の家の周辺でも建設が途中でストップしたまま、放置されている中層マンションを何件も見かけた。
 「マンションを購入するなら、施工会社は大手建設会社がいいという人が増えた。そうでなくても中小は人気がない。俺の会社の社長は銀行に頭を下げて借りにいっているがそんな買い手の心理を知っているのか簡単には貸してはくれない」
 自分は社員だからいいけどアルバイトの現場の人の中には日雇いの契約者もいる。働いて何ぼの世界だから仕事がなくなって大変だよ」
 山本さんは大手の建設会社だけに一極集中化がますます進むだろうと、うなだれる。
 「退職金は500万円が平均だったけど、この様子じゃあ、せめて俺が退職を迎えるまで倒産せずにもってくれればいいけど」
 退職金どころじゃないという。
 年収680万円の山本さんは、奥さんが近くのデザイン会社の経理をしているからこれまではなんとか生活に不自由はしなかったという。
 息子にはどうしても建設の勉強をして欲しくて大学に行かせたそうだ。
 それが、最近の自分の会社の状況を察したようで、他の職業がいいと言い出したと苦笑い。
 家計の貯金はすべて奥さんにまかせているから、貯金は数百万円くらいあるのかな?と、数字は把握していない。
 30歳で結婚し、39歳のときに35年ローンでマンションを購入、毎月7万円ずつの支払いはまだあと15年は残っている。
 「被害はいつも中小企業にばかり、負け組みはますます負ける世の中のしくみになっている」
 マンション偽造問題が引き起こした建設企業の中小企業には、大きな打撃を与えている。
 ゴルフ好きな山本さんの小遣い
 「前の社長が他界する前は、俺は幹部の候補だったんだ。だからいつもゴルフの接待に付き合わされたよ」
 という山本さん、今でもゴルフが大好き。
 「社長が息子に交替してからは、接待ゴルフでも俺は使われなくなった」
 だけど、仕事をよそおって金曜日や月曜日の暇なときに平日料金で群馬あたりのパブリックを5000円以下でまわるのが快感だそうだ。
 「昔からの仕事の関係者は前の社長でもっているようなものだ。社長と仲良くしていた俺たちのゴルフ接待があったからこそうちの会社には仕事がきてたんだ」
 月に一回のゴルフ、食事など含めて1万2000円かかる。山本課長のスコアは105。
安い平日ゴルフが快感の山本さんの小遣い帳

     
  月額 42,000
ランチ代 18,000
飲み代 12,000
     
  ゴルフ&食事代 12,000
  小計 42,000