東京FM クロノス 12月27日
経済サプリ 追跡 
2017年の中国経済
・日本の最大の「輸入」相手国は、14年連続で中国。日本への影響は相変わらず大きい。
・今年初めて「国別大富豪「人口」」がアメリカを抜いて中国が1位になった。
・世界の豚肉の半分を消費&生産。世界の胃袋とも表現されている。
・中国の人口、13億7000万人。一人が1000円の物を買えば1兆3700億円になり、巨大なマーケットである。
 
2017年、中国の経済は、以下のことが予想される
①中国の貿易規模は1割近く縮小しているが、ますます減るだろう。
②不動産バブル崩壊が懸念される
・銀行の不良債権は34兆円、5年前の2倍に膨れ上がっている。
・マンション価格が4割近くも高騰、ゴールドマン、不動産王ワンダグループの王健林までも住宅バブル崩壊を警告。
③トランプ次期大統領のリスク
トランプは中国に2つの圧力をかけている。
1)中国製品が安すぎてアメリカ国内の製品の販売が不調。現地の製品の販売を拒んでいるとし反ダンピング製品が増える。
⇒関税をかけられ、価格が上がる可能性がある。
2)「為替操作国」と指摘していているように、人民元上昇への圧力が高まり、おのずから中国製品の価格も上がる。
⇒安いのが魅力だった中国製品。品質のレベルは上がっていないのに、値段だけが上がれば、売れなくなるのは当然。
⇒貿易面で大きな打撃を受けるはず。
中国では2017年、秋に5年に1回の党大会がある。
・来年の党大会では、選挙がある。習近平体制を維持するため権力を集中させている。
・選挙のため、最も避けたいのが国内のデモ。
・政府は貧富の格差を是正するため政策を掲げているが、15年間も格差は広がる一方。
・月収1万6700円以下の人は全体の5億人以上もいる。
⇒国内の不満を爆発させないためにも、政府の「管理」により経済成長維持するしかない。
海外へのアピールとしては、これまでは、中国経済成長しているので政府が無茶をして人民元、株価、多くの産業の価格の決定など市場経済に反することをしても、世界は見て見ぬふりをしていたのです。しかし経済が低迷すれば中国がないがしろにされます。そうされないために、中国は、来年も南シナ海などの問題において軍事力があることをアピールする。
Q:日本への影響としては。
   ⇒中国国内のマーケットの規模は変わりません。富裕層をターゲットにビジネスを拡大するメリットはある。
   ⇒一方、政治的には、米国を取り込んで、国際通貨となった人民元の元高圧力をかけたり、反ダンピング製品を増やすなど経済面での規制強化しながら、東シナ海問題に対抗する必要があります。