日本のゆがんだ雇用状況が海外から指摘されました。外国人にとってはなぜ働き盛りの若者がフリーター化しているのか?なぜ仕事ごときが理由で自殺するのか?疑問に思うことばかりでしょう?
今回、さらに指摘されたのは「学歴の高い日本人の女性がそれをいかして働いていない」「女性の過少雇用は貴重な人的資源の浪費、緊急対策が必要」ということでした。経済協力開発機構(OECD)の2008年版の「雇用アウトルック」によると、日本女性の約43%が大学など高等教育を受けています。それはOECD加盟30ヶ国の平均約29%を大きく上回っています。
平成19年度の大学や大学院へ進んだ女子学生数の占める割合は過去最高となりました。短大の学生数は、昭和41年以来の20万人を下回り、どうせなら大学に進学し、しっかりと勉強をしたいという意識を持った女性が増えています。専攻している分野は、8年前までは人文科学が多かったのですがここ数年は社会科学が一番多く全体の3割以上を占めています。工学を専攻する割合も1割を超え、理学,保健の分野においても増えています。そして社会人学生においても約4割が女性が占めるほどになりました。女性の学びたいという姿勢が顕著にあらわれています。
ところが日本女性の雇用はOECD加盟30ヶ国ではトルコ、メキシコ、イタリアなどに続いて下から7番目の低さなのです。
25-54歳の女性で働いている人は約67%で、大学卒より高専卒や短大卒の方が多くなっているのです。せっかく大学や大学院を卒業しても、その意味がありません。出産後、7割が退職、復帰しても半分以上が正社員には戻れずに能力がうまく活用されていません。これでは「日本人女性の学歴は『世間体のため』、『結婚するため』なの?」と外国人にいわれかねません。雇用に対して学歴が過剰な日本、特に女性にそのしわ寄せが来ているのです。
だからといって女性は勉強をやめたほうがいいといっているのではありません。かくいう私も3年間週末は勉強し経営学修士(MBA)を取得しました。しかし、大事なのは、働き続ける意思を持ち続けること。それには会社で協力してくれる人を見つけることが必要なのかもしれません。