卓球の中国スーパーリーグで活躍する福原愛ちゃん(写真)が、中国の中央電視台(中央テレビ、CCTV)の「面対面」という番組に出演したことが、中国のインターネットで盛り上がっています。
中国では反日感情が取り上げられている中、サイトの書き込みの内容というのは、愛ちゃんをいじめた司会者に対しての不満や抗議だったのです。
番組では、愛ちゃんが1999年から中国でトレーニングを行い、「遼寧省チーム」のメンバーは親友で、世界チャンピオンの王楠とも仲良いことなどをインタービュー。
その後、愛ちゃんが、自分のお財布には300円しか入っていないことを披露すると、「家では、だれがお金の管理しているのか?」などときつい質問を切り出され、ついに愛ちゃんが泣き出してしまったのです。
ボーイフレンドの質問に対しても純粋に反応し、赤くなりながらも「話題を変えましょうよ」と答えていました。
書き込みには、司会者・王志に対して、「犯人を尋問しているみたい」「あんな言い方はない」「まだ若い愛ちゃんに対して取材相手がどのような気持ちになるかを考えていない」などといった攻撃が続いています。
中国での「愛ちゃん」人気がすごいのは、愛ちゃんが中国の文化、言葉を練習していることだけではありません。
昔ながらの趣のある建物が破壊されながら急速に変わり行く中国経済の裏で、昔の習慣を忘れて若者たちがドライになっていく姿が、もの悲しく年配者にはうつっているのです。
つまり、今風のちゃらちゃらしたイケテル女の子とは違い、ちょっと田舎っぽいところがいいのです。
そんな愛ちゃんと、今や少なくなった少し前の中国の女性とイメージが重なって親しまれているようです。
ほんの5年ほど前まで結婚前の男女交際は厳しくしつけられていました。大学でも罰せられていたというのに、最近は20歳前後に愛人がいるのも珍しくありません。特に拝金主義の強い上海などの大都市では、ブランドが欲しいだけのためにお金持ちの愛人を作る女性が増えているのです。
それに比べて「愛ちゃんはとってもかわいらしく愛すべき少女」「日本人のイメージを良くしてくれた。すれていなくて大人な対応がすばらしい」「あんなに礼儀のできている若者はいない」などと中国人は誉めたたえています。
意地悪な質問にもすぐに逆切れするのではなく、愛ちゃんのような外交の仕方には小泉首相にも見習うべき点があるかもしれません。