面子をつぶされるスポーツ
「恥ずかしいからスポーツはしない」
中国でスポーツが流行しているようですが、実際に体験しているのは都市部に住む若い層の人ばかりです。
スポーツ店が増え、スポーツメーカーが広告を大々的に看板を掲げているのとは裏腹に、中高年の人にとっては北京オリンピックもスポーツも無関心なのです。
中高年の層はスポーツを恥ずかしいからといってしません。
「運動をする暇があったら本を読んだほうがいい」
45歳の旅行代理店に勤務する知人の男性が堂々と、いいました。
彼だけではありません。
特に40歳以上の中高年たちは、強烈にスポーツをすることを嫌がります。
理由は簡単、下手だからです。子どもの頃に体育の授業でスポーツそのものを教えてもらわなかった世代です。今さら若い世代に混じってバスケットボールや野球をしてみても、下手すぎてたちうちできない。若者を前にして面子がつぶれるのです。
ないどころか、観戦にも出かけた経験がありません。
北京オリンピックに向けて経済的に恩恵を受けることを予測しているものの、スポーツそのものには興味を示さない。―それは、自分の面子を守るためなのです。
スポーツ観戦にも出かけたこともない人がほとんどです。
マラソン事情事情
ところがそんな世代も地域のマラソン大会には参加するようになりました。最近は、北京オリンピック関連のスポンサーが、各地域でマラソン大会を開催する ことが増えています。日本企業が協賛し日中友好を促進するスポーツイベントとして、東レ杯上海国際マラソン、ANA北京国際マラソンなど世界からマラソン 選手が集まる大会もあります。
ところが、マラソン大会、そのものに参加すること自体が稀という人が、急に走るのは体にはよくありません。
一般的には4.1キロコースから3種類ほどに分けられているのですが、準備運動を十分にしなかったことや、医者によく健康診断をしてもらわなかったこと が原因で、マラソンの最中に死亡する人もでています。他界した64歳の参加者は、自分の体力を過信しすぎていたようで、死亡した学生の親は、健康診断や主 催者の学校の判断に過ちがあったとして、賠償金20万元(約290万円)を請求した例もあります。
これでは協賛者側もピーアールどころではありませんね。スポーツは見栄のためではありません。自分のためにするものです。

マラソンの練習をしている中高年