17歳の女子ジュニア
 日本で女子が期待されている競技といえば、陸上ですよね。
 数々の選手に注目が集まる中でシドニーオリンピックでは、163センチ、45キロの高橋尚子(34歳)選手(1972 年5 月6 日生)が金メダルを取り、アテネオリンピックでは野口みずき(28歳)1978 年7 月3 日)が金を獲得しました。
 その他、後に続く期待の選手が勢ぞろいしています。
 ところが、その陸上ジュニアで強敵が現れました。
 中国選手として初の金メダルを獲得した中国の薛飛(シュエ・フェイ)選手です。
 先週、北京で行われた陸上の世界ジュニア選手権の女子5000メートル決勝では、中国の薛飛(シュエ・フェイ)選手が優勝しました。
 国際陸上競技連盟(IAAF)に加盟する181の国から1451人の選手が参加した世界ジュニア陸上は、8月15日から20日まで北京の朝陽体育センターで開かれていました。
 薛飛は1989年8月8日、江蘇省生まれで、まだ17歳です。
 残りの一周でラストスパートをかけ、数人の選手を追い抜くといった強烈な走りっぷりは、周囲を圧倒させました。
 15分31秒61のタイムで、中国では初の優勝ということもあり、期待を一心に背負うことになりそうです。
 もっともそれには理由があります。
 今回の陸上の世界ジュニア選手権は北京オリンピックと同様に北京で開かれたこと、それに薛飛の誕生日が北京オリンピックの開会式と同じ8月8日だからです。
 「オリンピックに縁がある」と、その期待はさらに倍増しているのです。
 まだ17歳という若さ、日本ではちょうど強い選手がいない層かもしれません。
 日本人の女子ジュニアでは、女子200メートル予選の中村宝子(静岡・浜松西高)が24秒27の7組1着で準決勝に進出し、女子1500メートル予選で日本記録保持者、小林祐梨子(兵庫・須磨学園高)が銅メダルになりました。
 「金メダルは大きな励みになった。目標は北京オリンピックで是非よい成績を収めることです」
 プレッシャーに押しつぶされることもなくオリンピックの代表候補として、8月8日生まれの若手のホープの意欲が、ますます注目を集めそうです。
=敬称略