15年連続1位の王冠、女子マラソン
 先日、注目の「二00六ANA北京国際マラソン」が北京市内で行われました。
 なんといっても、昨年は優勝者のベンソン・チェロノ選手(ケニア)がコースを間違えたのに、そのまま優勝者とみなしたことで波紋が広がりましたね。その理由は「テレビ中継車がコース通りに走ることが出来なかった」からで選手に過失はないと判断され、優勝に失格となりませんでした。中国陸上競技連盟が主催し、北京体育局、北京市当局が公認し、さらに記録は国際マラソン協会で公式記録として認定されているのにもかかわらず、もしまたこのような問題が発生したら中国は世界中から馬鹿にされかねません。
 今年はそんなことはなかったものの、中国は競技の成績によって汚名を晴らす必要があります。いつも以上に中国の選手は政府からプレッシャーをかけられました。
 特に、女子マラソンは政府が力を入れています。今回女子が優勝したら、八一年から始まった北京国際マラソンですが、一五年連続1位に輝き続けたことになります。
 今年の女子の優勝は、孫偉偉(ソン・イイ)で、2時間34分41秒でした。昨年の成績は2時間27分35秒で、タイムとしては約7分も遅れ、決してよくなったとはいえません。また、過去3年連続優勝者の孫英傑(ソン・エイケイ)、2時間21分1秒に比べると約13分も遅かったのです。ちなみに孫英傑はドーピング検査で陽性反応を示し、中国陸上競技連盟が2年間の出場停止処分を科していました。コーチも辞めさせられ、孫英傑もエースの立場を追われた中での優勝だったのです。
 「今回の成績はそんなによくなかった。私が最初に優勝の冠を手にしたのは香港で、そのときのコーチは馬俊仁コーチだった。私は馬コーチの教えを今でも忘れられない。去年から、コーチは変わり、梁松利コーチの下で訓練を受けているが、私をここまで育ててくれた馬コーチに非常に感謝している」
 孫偉偉は、今のコーチに嫌味とも受け取れるよう取材に答えています。馬俊仁コーチは世界でも有名なコーチで漢方薬のコマーシャルにまで登場するほどです。
 今のコーチの腕前が噂される中、今後の評価は孫偉偉の成績でわかれることになります。