拡大するヨガ人口と高いレッスン料金
 心身の健康のためにヨガを始めよう!
 中国では、こんな垂れ幕をあちこちで目にしました。
 北京市では昔からの古びた体育館「工人体育館」の中にもあまり似合わない「ユニバーサルヨガ」がこの夏オープンしました。
 そこには、わざわざ海外から国際レベルのインストラクターも雇用しています。シンガポールでNo.1といわれているアイサーさんやロバート・エドワーズさんなどを招いています。
 それだけではなく書店でも驚くほどヨガの本ばかりが並んでいます。
 健康ブームが流行っている中国では、どこの書店に訪問してもヨガの本が前列に平積みになっていて、レオタードを着た欧米人や上海のスタイルのいいモデルが柔らかい体をねじらせてポーズをとっています。
 そんなかっこいいモデルのようになれることを期待してか、多くの人が体験コースに押しかけているようです。上海市、水城南路にあるヨガ教室の体験コースを取材してみると、「とりあえず、1回だけでもいいから、体験してみたい」と20代から30代のDINKSホワイトカラーが中心に、夕方の部に殺到しています。
 午後の部は駐在員の主婦たちに混じって比較的高いお金を払ってでも参加しているのです。
 値段は一回で約250元(約3500円)、現地の平均的な月収が2万円ですから、けっこうな値段です。
 実際にはモデルのようなレオタードを着ている人はいませんでしたが、それでもお洒落なスポーツウエアに流行のブランドを身に着けています。
 インドで発達したヨガは、パワーヨガとして欧米でも人気が高まり、アメリカのヨガ人口は今も年々拡大しています。ヨガ参加人数は1500万人で市場規模は約270億ドルといわれています。
 その後、その流行は日本に到来しました。日本のヨガ人口はアメリカの2%以下ですが日本のヨガ人口は23万3000人で市場規模は関連商品も含めると200億ドルといわれています。
そして、中国にもその火は飛び散っているのです。
 中国ではまだヨガ人口は発表されていませんが、高額な月謝を喜んで払って習う層はますます増えるでしょう。