会社の飲み会に参加後、地下鉄の階段で転落死した男性の労災が認められませんでした。1審は認定したものの2審では判決がくつがえりました。「飲み会が業務といえるのは2時間前後まで。(男性は)通常の通勤ではなく飲酒が原因」とされました。男性は社内の飲み会後も3時間飲んでいたためです。
酔い具合の時間を2時間と指定する判決は珍しいですが、もし2時間以内であれば同じ状況でも認められたのでしょうか?酔い具合は個人差もあり1時間で千鳥足になる人もいます。
通勤災害として労災と通常認められるのは「住居から会社までの合理的な経路で通常の通勤の間で起きた事故」。
(1)パチンコ店やマージャン店や飲み屋に長時間寄る。
(2)休日にスポーツジムなどの利用のため会社に寄る。
(3)自宅以外の恋人のマンションなどから出社-の場合は含まれません。
ある会社で会議室にサンドイッチとビールを用意した歓送迎会がありました。社内なら顔を出せる人も多いという狙いでした。しかし、この中の1人が真っ赤な顔で自分の机に戻って仕事をしようとしたものの、大声でセクハラ発言をし、あげくに居眠りをしていすから転げ落ち負傷しました。コミュニケーションにアルコールは必要なかったのではないかと思います。
これは社外でも同じです。アフター5に会社の人と飲む習慣がある日本では、その多くは上司が飲み代を経費で落としているのではないでしょうか。これは業務の話の一部だと考えられているからです。労災では「どこまで業務命令か?」「業務時間内か?」「お酒がどこまで入っているのか?」などがポイントになると思いますが、部下はしかたなしに上司の誘いにも応じるときもあります。
経費=業務が2時間以内などと見なされた今回の例もあるので、業務とされる飲み会であるならばアルコールは飲まないのがベストです。きっと仕事の話はまともな話ができますよ。