女性自身 光文社
2016年5月24日号
電力自由化
電力自由化は、複雑でわかりにくい、トラブルも増えている。こんなはずではなかった・・・。
・消費者が賢くなることがよりよいサービスにつながる。電力の契約先を変更することで、今までよりも平均5㌫ほど、電気代が節約になるケースがある。
・しかし、その一方、契約先を誤ると30㌫以上、高くなることもある
【ケース1】Bさん(40代)は4人家族。2人の子供は中学生で、教育費が家計を圧迫している
比較サイトなどを見ても微妙にランキングに違いがある。どれを選べばいいかわからない。
どこを選んだらいいの?
「現時点で、全国の一般家庭6千万軒中、契約している電力事業者社を乗り換えたのは75万軒で、わずか1㌫ほど。思うように数字が伸びなかったのは『複雑すぎてわからない』『面倒』という理由でしょう」
・しかし、目安として50㌂契約、月の電気代が7千~1万円ほどの家庭は、最大で7㌫、平均で5㌫ほど電気代が安くなる可能性が高い。
・「『東京電力より一律5㌫安い』と設定している、わかりやすい事業社もある。
・比較サイトはあくまで目安で、リストとして考えたほうがいいかも。
【ケース2】Cさん(30代)はひとり暮らし。仕事の関係で、平日の昼間は留守にしている、電気もほとんど使わない。
さらに安くなるような電力会社はあるの?
・①夜に電気を使い、日中はほとんど使わない
②30㌂など、契約のアンペア量が低い
③1カ月の電気料金が4千円以下
④オール電化を利用している……。
このような条件で、現状で『夜間割引』『オール電化割引』などを利用している場合、むしろ変更しないほうが割安
・サポートやアフターフォローの対応には差がある。余裕のない会社にはコールセンターを設置しておらず、
漏電や不具合などのトラブル時に、電話がつながらないことも。料金ばかりでなく、サポート体制も検討材料に。
【ケース5】外出にはほとんどクルマを使っているFさん(30代)は、ガソリンスタンド系の電力会社と契約。ガソリンスタンドの会員割引から、さらに1㍑あたり10円の割引が適用されるというからだ。ところが、Fさんの乗るハイブリッド車は燃費がよく、給油もそれほど必要ではなかった。思ったほどお得じゃないなんて!
・契約する電力会社がつけてくれるサービスが、自分のライフスタイルに合っているものかどうか、きちんと確認すること。
・ポイントが貯まる、定期券が安くなる……など、その内容はさまざま

【ケース6】Gさんは原発事故以降、再生可能エネルギーに強い興味を持つようになった。そのため今回の電力自由化では、水力・風力・太陽光発電に力を入れている電力会社と契約。しかし、運ばれる電気はこれまでと同じで、実感がわかない。こんなことなら変更しなきゃよかった!?
・電力自由化のメリットのひとつとして、消費者がどのような電力を望むのか、意思表示できることがある。
たしかにコストは、原子力が約10円のところを風力では20円、太陽光は30円と割高。
・しかし、たとえ料金が高くても再生可能エネルギーの需要が高まれば、今よりも技術も進み、コストダウンにもつながる。
・結果、原子力依存の現状を変えられるかも。ひとりひとりの意識が大切。
【ケース7】Hさんは「基本料金無料」の文句に引かれ、ある電力会社と契約。しかし、電気の使用料金については、ほかの電力会社よりも明らかに高い。これって、じつは割高なのでは?
・電気料金の明細を元に、あらかじめ使用料を計算しておくこと。私の家の場合、月によっては割高だという結果に
・基本料金だけでなく、第一、第二段階の料金システムの計算のしくみをみること
 自由化がスタートしてからまだ1カ月。。
・夏に向けてエアコンの需要も高まり、各社でキャンペーンが始まるかも。
・また17年には都市ガス小売り自由化が始まるので、それに合わせた新たなセット割も期待できる。賢く選んで、得をしましょう!