2016年12月6日火曜日
東京FM クロノスhttp://www.jfn.co.jp/ch/【★追跡★】38局フルネット
『朝の経済サプリ』TPP。
Q:トランプ次期大統領は、1月の大統領就任と同時に、TPP離脱すると表明。これ、もうひっくり返ることはないのでしょうか。
→選挙での一つの大きな公約なので、離脱することにはかわりはないのではないでしょうか。残りの11カ国で米国に圧力をかけても、トランプ次期大統領は意思をかえないでしょう。
Q:その場合、日本はじめ各国の動きはどうなるのでしょう。・アメリカ抜きでの発効という話もあるが、それはメリットはあるのでしょうか。
→TPPの世界的な経済規模は、3100兆円ですが、そのうち6割を占めているのが米国です。それが減ってしまうということは激減!6カ国でGDPの85%を占めることが批准に必要ですが、米国が抜けるとTPPが成り立たなくなってしまうため、中国をTPPに参加させるべき・・・という声もあります。
でも、それだと世界のパワーバランスが米国より中国が強くなる懸念があるので、日本は米国抜きでも発行できるよう規定をかえようとして、それにメキシコも追随しています。
そもそも、TPPに最初から積極的でないべトナムやシンガポールなどは「米国が抜ければだったら私らも抜けますよ」という動きもでかねない。TPPをやめて、中国を中心とした別の貿易協定に参加するという国もでるだろう。
Q:日本も国内手続きを辞めてしまうという選択肢は?
→日本は人口減少、少子高齢化で消費が飽和状態、どうしても輸出に依存するしかない。国会でたいした議論もせず強制採決で無理やりTPPを通したメンツがあります。
米国が抜ければ日本が全体の15%を占め1位になり、TPPへの影響力が最大となるので、あべさんが中心になって積極的によびかけるという姿勢をつなぬくでしょう。
Q:もう一つトランプ氏が掲げているのが「NAFTA(エヌエーエフティーえー)」の見直し、撤退。
NAFTA・北米自由貿易協定。これはどういうもの?→
(エヌエーエフティーエーNAFTA)North American Free Trade Agreementの略で、北米自由貿易協定のこと。1994年に発行された米国、カナダ、メキシコの3カ国で関税を撤廃して貿易を自由にしようという協定。
ただ、これによってアメリカの自動車メーカーなどが、生産拠点をアメリカからメキシコに移してしまい、これが、「アメリカの雇用」を失い、悪影響になっている、とトランプ次期大統領は批判しており、NAFTAも「見直す」または「撤退する」ということを言っていまう。
Q:実際、NAFTAからの撤退も現実にとなった場合どうなるか。
→メキシコの工場では人件費は時給300円あまりと安上がりだったのです。一方、アメリカのインディアナ州では2000円以上!だから、メキシコで製造してアメリカに輸入するという構造が多かったのです。企業にとってみるとメキシコの工場をやめて、アメリカに生産拠点を移すと、人件費が上がり痛手になります。
しかし、このままメキシコに残っても、トランプ次期大統領は、「メキシコで作られたクルマは関税を35%にする」と言っています。→ですのでこのままメキシコで生産してアメリカに輸出してもメリットがないと、メキシコの工場を断念してアメリカに工場を残す企業が増え始めていまう。今後、メキシコにある自動車工場が撤退し、(メキシコの)経済が打撃を受けることが懸念されます。
→日本の自動車メーカーもメキシコに工場があり、今までは関税ナシでメキシコからアメリカに輸出できたか、NAFTAが見直されて、関税が高くなれば・・・当然、メキシコの工場でつくられたクルマは高くて買われなくなるりますので、日本企業にとっても打撃は避けられないでしょう。