■ 企業訪問レポート(1)
ベトナムの証券市場の歴史は浅い
2月7日から11日まで柏木理佳と行くベトナムツアーでホーチミンにある企業や証券取引所などを訪問した。
ベトナムの町並みなど、率直にいって急激な経済成長のわりには、大きな変化はなかった。もちろん株式市場においては別である。
どこもかしこもカブのバイクが交通ルールも守らずに一直線に走っている。小さい子どもを間に挟みながら夫婦で乗っかっている様子、流行おくれの服を販売している店は、私に台湾を思い出させた。
金融街に、白い壁で歴史的なつくりを残した建物の中に証券取引所があった。東京証券取引所のビルに比べれば3分の1ほどの大きさしかないが、中に入ると最新のコンピューターが並んでいた。システムなどについて十分に説明を受けることができた。
ベトナムの株式市場の歴史はまだ浅い。
2000年にホーチミン証券取引所が、2005年ハノイ証券取引所が開設されたばかりである。
わかりやすくいえば、ハノイは中小企業が上場、ホーチミンは大企業が上場している。
ハノイ証券取引所に上場した企業が、数年を経てからホーチミン証券取引所に移るケースも多い。
時価総額は小
2006年11月には57社しか上場していなかったが、12月には新たに50社近く上場した。
その理由は昨年までに上場すれば税金が優遇される法律のためだ。
現在は100社を超えている。
上場時価総額は5300億円程度であったが現在は1.5兆円を突破した。数ヶ月で3倍になったのである。
時価総額1位だったビナミルクは1000億ドル程度であったが2倍以上に拡大した。
平均的に毎月2~3社が上場しているため、急激に時価総額が拡大している。現在の時価総額はGDP 比でまだ1%ほどである数十年という長期的にみればものすごく拡大するだろう。
しかし、株式市場の歴史が浅いためシステムもまだ未熟である。
11月にWTO加盟が決定したことで急激に世界から注目されているため2月2日はシステム障害が起きたばかりである。
初の証券法は2007年1月に施工された。
ちなみに債券市場はホーチミン証券取引所にあるが、発行残高が少ないため活発な取引ではない。国債はベトナム財務省と政府系機関が発行するものがあるが、GDP3%程度。地方政府債はホーチミン市債の発行。社債はBIDV銀行など2社のみが発行している。
証券取引所は午前中の3回のみである。午前8時20分から20分間、9時10分から20分間、10時から20分間だけである。決算は3日後で値幅制限は+-5%である。
額面は1万ドンで登録取引で発面の交付はない。上場証券は取引所の保管センターに保管される。大手の証券会社は、規模の大きい順に2社の証券会社を訪問した。1位であるサイゴン証券は1階に入り口があり競馬の馬券売り場のようである。照明が暗くて、人だかりができていた。
2位のBSC証券は最新のインターネットによる液晶画面の大きな証券ボードが並んでいた。
インフラの整備が追いつかない現状
銀行口座を持っている人がまだ4割しかいないベトナムで、株式市場の7割が現地の個人投資家が占めている。中国と同様に数日から数ヶ月で投機的な売買をしているのが現状である。
外国人が持っている口座数のうち半分が日本人が占めている。
ベトナムドンの為替レートは1ドンが121円前後であるから0が多いのだが手書きで売買のフォームに書き写す取引のため、間違いが多くトラブルも耐えない。口座を持っている日本人のうちあまりにもやりとりに手間がかかるため7割が取引を停止している。
メールや電話での確認を何度も繰り返さなければならないため根気負けするようだ。
チャートでみると2000年に天井になり、ずっと下落していたものの2005年10月に外国人投資家枠が49%拡大し、2006年WTO加盟により過去の天井を超えている。短期間に急騰しすぎているためそろそろ短期間においては調整局面が予測される。
次回は訪問したべナミルクなどの企業の現状をレポートする。
ベトナム株式市場・参考ホームページ
マネーベトナムドットコム
①(1億総億万長者プロジェクト)http://www.moneyvietnam.com/
②(ベトナム株総研.com)http://www.vn-kabusoken.com/index.php
③(ベト株ドットコム)http://viet-kabu.com/news/hochiminh/
①(1億総億万長者プロジェクト)http://www.moneyvietnam.com/
②(ベトナム株総研.com)http://www.vn-kabusoken.com/index.php
③(ベト株ドットコム)http://viet-kabu.com/news/hochiminh/
ベトナムファンド(過去にファンドを販売した)
①ベトナム・ドラゴン・ファンド・リミテッド(キャピタルパートナーズ証券) http://www.capital.co.jp
②ベトナム民営ファンド(ユナイテッドワールド証券) http://www.uw-vietkabu.com/
③岡三証券http://www.okasan.co.jp/index.php
③ベトナム株ノーロードファンド(グローバルリンクインベストメント証券) http://www.gladv.co.jp/gli/index.html
④ベトナム株ファンド(アイザワ証券)http://www.aizawabtc.com/
①ベトナム・ドラゴン・ファンド・リミテッド(キャピタルパートナーズ証券) http://www.capital.co.jp
②ベトナム民営ファンド(ユナイテッドワールド証券) http://www.uw-vietkabu.com/
③岡三証券http://www.okasan.co.jp/index.php
③ベトナム株ノーロードファンド(グローバルリンクインベストメント証券) http://www.gladv.co.jp/gli/index.html
④ベトナム株ファンド(アイザワ証券)http://www.aizawabtc.com/
柏木理佳の今月のひと言
柏木理佳と行くベトナムツアーには22人が参加して下さりました。半分が、過去に中国ツアーに参加して下さったリピーターの方です。
同じ共産主義で国有企業だというのにベトナム人個人のサービス精神が中国とは違う印象を持ちました。
「拝金主義でプライドが高いと聞いていたが、ベトナム人はそれよりも思いやりや精神を大事にしている」「若者は本当に素直でよく働く。25歳以下が半分を占める人口構成、若者が宝物」といった嬉しい感想がたくさん聞くことができました。参加して下さった方、本当にありがとうございました。