スポーツ店の現状
最近になって、上海など都市部ではスポーツジムの看板をあちこちに見かけるようになりました。日本での流行を追うかのように中国でもヨガやバレエの教室が増えています。ただ、習っている人のほとんどが日本人の駐在員の奥様です。
「イスポ」の主催団体であるメッセ・ミュンヘンによると、中国のスポーツ人口は4億人、全人口の3分の1程度としています。「一部の人だけがスポーツを し始めた」と、冷めた感覚で見ている中国人に対して、熱を入れているのは地元よりも海外のメーカーです。
例えば、上海の龍陽路にある上海新国際博覧中心で行われた世界最大級のスポーツ用品専門見本市「イスポ」では26カ国、286社、世界中から参加して展示しました。
スキーやゴルフをするには中国は黄沙が強く寒暖の差が激しく、自然環境に恵まれていません。そのためか「日本スキーツアー」が増えています。日本への中国人観光客の中にはわざわざスキーやゴルフだけを体験するためにきているのです。
中国のスポーツ市場は約300億ドルといわれています。その中で圧倒的に売れている商品はスポーツシューズです。中国のデパートではスポーツシューズの専門のフロアがあるほどです。値段は5000円から2万円まで。日本より高いくらいです。
日本メーカーのアシックスも今年4月、上海に直販店を開きました。顧客の足型を個別に計測した靴を紹介するなどワンランク上の富裕層を対象にし、サービスの面でも充実を図っています。これから3年間で200店舗も拡大するそうです。
そんな中、中国では従来からある屋台のようなスポーツ店で、激安を売りにした商品が多く売られています。中には模倣品もありました。
最近では流行り始めたスキーウエアなどウインター用品が店頭で売られていました。
日本にスキーを体験しに訪れた中国人が高額なスキーウエアをレンタルするのではなく、中国で購入して持ってくるのです。
私も中国から帰国したばかりの頃は、物価が高いことに驚きました。特に日本でも南国育ち、最近まで冬スポーツ用品なんて触れたこともありませんでした。そんな私は今だってウインター用品やそのレンタル料の高さに嫌気がさします。
スポーツになんでこんなにお金を出すのかわからない人の心境を北京オリンピックでどこまで動かすことができるのか、それは世界のスポーツメーカーだけでなく古くからの現地のスポーツ店の改革にもかかっています。

ウインターウェアの売られているスポーツ店