女性政治家たち
 上海市では日本よりも高齢化が加速しています。2005年現在で在住人口は1778万人、戸籍人口は1360万人ですが、一人っ子政策のおかげで25~44歳の労働人口は減るばかりです。上海市のそのものの人口は13年続けて減少しているものの、出稼ぎ労働者が増えているため全体の人口は増加しているように感じます。数年後バブルがはじけ出稼ぎ労働者が地方に戻ったときに、はじめてバランスのとれていない労働力について直接的な問題が明るみとなるでしょう。
 そんな中で注目されているのが、日本と同にように女性の雇用問題です。中国人の女性の印象は「とても頑固で強い、アグレッシブ」です。中国人の男性よりも厳しい印象があります。
 中国では大企業では子どもの保育所が近くに設置されています。母親が子どもに母乳を与えるために数時間おきに会社を離れても、その時間は労働時間からマイナスされることもありません。もちろん給料も減りません。そのうえ妊娠は病気ではないからという考え方のためか、妊娠8 ヶ月まで働く人がほとんどで出産後も3 ヵ月後には復帰しています。
 私が滞在していたシンガポールや香港や中国でも同じような状況でした。シンガポールでは祖父祖母にウイークデーは子どもを預けています。週末だけ自分たちが迎えに行って面倒みている夫婦が大多数でした。
 そんなことだから昇進も男女平等です。
 特にホワイトカラーの世界ではむしろ女性の活躍がどんどん増えているようです。
 こういった企業において男女平等が行われているのは政策を決定している政治の世界に女性が多いからではないでしょうか。
 日本でも2006年度の国家公務員Ⅰ種試験の合格者が発表されましたが、キャリア官僚の試験に受かった女性は全体の17.7%で、過去最高でした。
 中国では、最近は、中国外交の顔として、外交部の報道官に姜瑜氏が任命されましたが、章啓月氏がベルギー大使に転出してから、1年半ぶりの女性起用です。姜報道官は広報課の次長も兼任しています。1964年生まれで、まだ42 歳です。北京市の外交学院を卒業後、得意な英語をいかして国連代表部や香港にある中国政府の出先機関である「駐香港特派員公署」に勤務していました。
 2004年、中国共産党員のうち、女性党員は1296万人で全体の19%を占めています。日本も女性の雇用問題を解決するためには女性の議員を増やすことから始める必要があるのかもしれませんね。