日本より広告に使われるスポーツ選手
日本では珍しいですが、中国のスポーツ店に入ると、スポーツ選手の写真がベタベタとありとあらゆるところにはられています。
例えば、卓球やテニスのラケットのカバーには、もろに選手の顔写真がベタベタとシールとして貼られています。
スポーツ店だけではありません。
自動車のショールームの看板にはバレーボールの選手が宣伝しています。
飛行機に乗ると座席にも、赤のユニホームを着たバレーの選手の姿がありました。
地下鉄の広告には蛍光を使った最新の看板にバスケットボールの選手が車の看板に使われています。
タレント顔負けの広告活動なのです。
なぜ、スポーツ選手が本来の試合だけでなく広告活動に力を入れるのでしょう。日ごろの試合だけでもスケジュールは大変なはずです。
でも、あえてこういった仕事をするのは、経済成長とともに一般の給料が上がっているのにもかかわらず、スポーツ選手の給料は未だ低いままだからです。一流選手の中でも一般事務職とかわらない待遇の人もいます。
また、中国のメディア環境が日本と違うという理由もあります。
テレビ局は全国で300局、チャンネル数は3000もあります。もっとも一般の家庭では日本と同じように10チャンネル以下を見ている人が多いようで す。しかし、ケーブルテレビが普及しているので100を超えるチャンネルを見られる家庭も、あります。
新聞はなんと2000紙、雑誌は9000誌以上もあるのです。政府系の人民日報よりも夕刊紙が売れています。日本よりも芸能人の噂話やスポーツ選手の事情がとても興味深くとりあげられています。だからなのか、広告もたくさん使われています。
コンビニに並べられているスポーツ飲料にも選手の写真がはりつけられていたり、バスの中の広告もどこも面積いっぱいまでびっちりです。
景気がいいから企業が広告にお金をかけているのです。そして、この広告料が日本とあまり変わらないほど高いのです。
特に日経企業はお金をかけます。収入第一位は電通で、5億元です。
2位がサーチ&サーチ、3位がTOM 屋外伝媒集団、4位は江蘇大賀国際広告集団と地場産業が続きます。「トップ10」の5位にマッキャン・エリクソン、10位には博報堂が入っています。
広告料金が高いから起用したタレントに多くのギャラを払えません。その点スポーツ選手なら安くで使えるのです。広告合戦は北京五輪まで、スポーツ選手の知名度とともに拡大するでしょう。

バレーボール選手を起用した広告