(危ない食品について)
 冷凍ほうれんそうなど、輸入野菜ばかりに目が行く。しかし、今は加工食品が危ないというのは中国経済ジャーナリストの柏木理佳氏だ。
 「殺菌処理や真空などの技術がまだ未熟なので、牛乳や冷凍食品などの加工食品は現地でも牛乳や冷凍食品などにおいて日本ほど安全性への意識が高くなく、スーパーでは牛乳など賞味期限が切れた冷凍食品がそのまま陳列されているケースもあるので危険と言われています。またスーパーでも賞味期限が切れている食品がそのまま陳列されているケースもあるので買物をする時にはパッケージに注意をしたほうがいいですね」

(後半)
 もちろん中国政府も手をこまねいているわけでもなく、安全性を高める法整備を進めているが、そう簡単には進まない国の事情があると指摘するのは、前出・柏木理佳氏だ。
 「国が広すぎるので通達を出したとしても中央から地方の隅々まで伝わるのに時間がかかる。経済発展のひずみがそもそもの問題にもなっている」その“ひずみ”とは中国の経済発展から生まれた所得格差という。
 将来に対して不安を抱いた中間所得層が目先のお金を稼ごうとする風潮があり、ブランドのコピーや海賊版、加工食品や調理器具など安い原材料を調達して製造する。そして安く売りさばく手法が根付いている。
 また監視されていると気がつくとすぐに閉鎖できるように、無認可で創業しているケースが多く摘発まで至らないという。
 「無認可で創業している会社は、短期間で利益を上げて監視されればすぐに閉鎖するので、消息もわからなくなる。商品だけが野放しになるので、事故に遭わないためには輸入する側が水際で防ぐしかない」(同)
 流通の際に安全に対するチェック機能が整っていないので、人体に影響が出るなどの不具合が生じてからでないとわからないという恐ろしい状況なのだ。