中国でも、日本と同様に今ペットブームが訪れています。所得が増加しペットを買う余裕ができたのでしょう。
 北京市小動物保護協会によると、北京市で飼われている愛犬は、100万匹で、約1200万人ほぼ同じ人口の東京と比べても、その数は超えています。
 日本のペット人口は全国で2000万人ほどですから、いずれ日本を超えることは間違いありません。
 中国で、ちょっと変な光景をみかけました。
 江蘇省・南京市のペット売り場では、昔から商売が繁盛することや寿命が長く続くことで知られているカメを売る店が増えています。しかも日本のように水槽に入れてカメを売っているのではなく、カメを吊るして販売しているのです。
 それだけではありません。
 動物病院には、この猛暑でバテたペットを連れてくる人の数は増加の一途をたどっていますが、ペットにかかる医療費がバカ高いのです。
 1年間にかかる医療費の総額は5億元以上にも達しています。
 中国では、伝染病やウイルスに感染した愛犬を完治させるには、最低でも1500元が必要です。
 しかし、中国の場合、未だ、法令の整備がきちんとできれていないため病院によって薬代が違うのです。
 例えば、風邪をひいた犬を動物病院に連れていったところ、実際には約5元の薬でいいところ、その30倍以上の治療費を請求された人もいました。医療費の透明性は完全に図られていない状態なのです。
 動物病院を開設するには、診療証、経営証、動物検疫合格証を政府に提出し許可を取ることになりますが、薬代まで政府が確認していないのです。

 また、中国では、新型肺炎(SARS)や鳥インフルエンザに感染するリスクもあります。
中国農業部は、青海省で渡り鳥の一種であるハイイロガンの死骸から、鳥インフルエンザウイルスが発見され、数ヶ月で野鳥など1000羽以上が死んだと報告されています。5月上旬には新疆ウイグル族自治区と北京市などで300頭近くの牛が感染しました。渡り鳥の移動経路や家畜などからペットが感染する危険も高いといえます。
 ペットの飼い主の中には、ワクチン接種などの感染防止に対しての認識は、まだ低いようです。
 ペット用品だけでなく、ペット用の美容、ペット用のマンションなどまでペット市場が拡大する発展途上の中国では、経済と同様に、多くの解決しなければならない問題点も残されているようです。